関西電力は28日、今夏新たに導入する法人向け電力需要抑制策の概要を発表した。契約電力500キロワット以上の大口顧客(約7000件)には、節電分を関電が入札で買い取る「ネガワットプラン」を導入。約11万件の小口向けではIT(情報技術)大手や電機大手など、多数のビルや工場のエネルギー管理を手掛ける企業(BEMSアグリゲーター)に、顧客のピーク調整を依頼する制度も設ける。ただ周知期間が短いことなどから、今夏の需要削減効果は限定的となりそうだ。
ネガワットプランは節電要請期間(7月2日~9月7日)のうち、97%超の電力使用率(供給力に対する最大需要の割合)が見込まれる日の需給逼迫時間帯が対象。「週間でんき予報」を通じて翌週の需給見通しを公表する金曜日に、関電が必要な節電量と時間帯を大口顧客に示し、入札を実施する。
入札参加を希望する大口顧客にID番号を割り当て、インターネットを通じて節電可能な電力、時間、そして手数料の希望額を入力してもらう。節電必要枠が埋まるまで入札を続ける。応札が多かった場合は希望額の安い順に落札者を決める。
落札者に確実に節電を実行してもらうため、罰則規定も設ける。実際の節電量が入札の際に約束した量の9割を下回った場合は、不足分について入札単価の2倍に相当する「調整未達補償金」を支払ってもらう。
一方、BEMSアグリゲーターとの協業によるピーク抑制策は、電力使用率97%超が見込まれる日の前日午後、関電がアグリゲーターに対し翌日の需給逼迫時間帯の負荷抑制を依頼する。
要請を受けたアグリゲーターは、エネルギー管理システムを通じた遠隔監視で顧客企業の空調や照明をコントロールし、逼迫時の電力需要を削減。関電はアグリゲーターに手数料を支払う。顧客企業もアグリゲーターから手数料を受け取る。
関電は30日に東京都内で説明会を開き、アグリゲーターを募集する。
八木誠社長は28日の会見で、全国展開するアグリゲーターの顧客網を活用し「中部、北陸、中国など比較的需給に余裕のある電力他社管内の企業の自家発電から緊急融通を受ける仕組みを検討している」と発言。他電力との協議を急ぐ意向も明らかにした。
もっとも新制度の節電効果は未知数だ。ネガワットは関電が国内初の導入、アグリゲーターによる節電も東電と並び関電が国内初のケースとなるため、「どのくらいの効果が出てくるのか分からない」(八木社長)。
関西電力、ネガワットプラン、アグリゲーター、情報技術、八木誠、東電
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