Q2−3 人権侵害には個別の法律で対処できるのであり,新たな人権救済機関を設置する必要はないのではありませんか。
法務省の人権擁護機関は,昭和23年に設置されて以来,あらゆる人権問題を広く取り扱っています。 確かに,人権に関する問題について個別の法律による救済制度が設けられている分野(例えば,児童虐待,高齢者虐待等)もあります。しかし,これらは必ずしも総合的な人権救済の観点に立っているわけではなく,救済の要件や手法についても個別法ごとに異なる仕組みが規定されています。また,そもそも個別の法律による救済制度が整備されていない分野(例えば,学校における体罰やいじめ,名誉毀損,プライバシー侵害,障害者や外国人に対するサービス提供の拒否等)もあり,さらに,社会の変化に伴い様々な分野で新たな類型の人権侵害が生じてくると考えられますが,法律を制定していては迅速な対応が困難であることを考えれば,全ての問題について個別の法律で対応することは困難です。このように,個別の法律による対処には限界があります。
ところで,法務省の人権擁護機関は,あらゆる人権問題を取り扱うとともに,現在でも,個別の救済機関が存在する場合には,これらの救済機関と連携して,被害者の意向を踏まえた最も実効的な救済の実現を図っています。
そこで,新たな人権救済機関においても同様に,個別の救済機関が存在する場合には,これらの救済機関と連携して,被害者の意向を踏まえた最も実効的な救済の実現を図ることを予定しています。このように,これまでの経緯を踏まえ,国民の利用しやすさという観点からも,個別法による救済とともに,あらゆる人権問題を取り扱う新たな人権救済機関を設置することが必要だと考えています。
ところで,法務省の人権擁護機関は,あらゆる人権問題を取り扱うとともに,現在でも,個別の救済機関が存在する場合には,これらの救済機関と連携して,被害者の意向を踏まえた最も実効的な救済の実現を図っています。
そこで,新たな人権救済機関においても同様に,個別の救済機関が存在する場合には,これらの救済機関と連携して,被害者の意向を踏まえた最も実効的な救済の実現を図ることを予定しています。このように,これまでの経緯を踏まえ,国民の利用しやすさという観点からも,個別法による救済とともに,あらゆる人権問題を取り扱う新たな人権救済機関を設置することが必要だと考えています。