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12.05.29

青年マンガ

大々々反響『キン肉マン』新シリーズ人気の秘訣とは? ゆでたまご両先生に聞く〝復活!火事場のマンガ製作裏話〟 第3回

昨年2011年11月より「週刊プレイボーイ」公式ニュースサイト「週プレNEWS」(http://wpb.shueisha.co.jp/)にて、24年ぶりの週刊連載復活を果たし、現在も大好評WEB連載中の『キン肉マン』!
その新シリーズ開始以降、初のコミックスが、かつての続刊「ジャンプ・コミックス」第38巻として2012年4月4日(水)に発売されると、即日完売となる書店が続出! なんと翌日に重版が決定されるほどの人気ぶりを見せつけた!!
華麗なる復活を遂げたこの名作作者・ゆでたまご(原作担当・嶋田隆司、作画担当・中井義則)両先生に、今シリーズの人気の秘訣や製作上の裏話、さらには今後の展望まで、様々なお話を伺った!!


――こうして今、意欲的に描かれている新しい『キン肉マン』で、最も読者に伝えたいテーマは何でしょうか?
嶋田:今の時代を生きていて感じるのは、やはり日本に元気がなくなってきているような気がするということです。かつて『キン肉マン』をジャンプで連載していた1980年代は、子供たちはすごく元気だった。ボクなんて自宅が読者の子供たちにバレて、毎日ピンポンダッシュの標的にされてしまって(笑)、しまいには引っ越さないといけなくなるくらい、みんな元気だったはずなんです。でもそんなに元気だったかつての子供たちが、今の社会のメインの担い手になって、日々苦労しながら一生懸命生きることに精いっぱいで…笑顔を忘れてきているように思うんです。でもそんな彼らを笑顔にできる、というのが唯一、ボクら漫画家にできる応援じゃないかと感じるようになって。特にここ数年は、大きな災害などもあって、ますます真剣に考えるようになってきて。そのための一番いい方法は何だろうと考えていくなかで、中井君と相談して辿り着いた答えが…な!
中井:あの頃の子供たちに熱狂してもらえた『キン肉マン』をもう一回、思いっきり全力で描いてみようやないか…ということだったんです。
嶋田:そもそも前から、もう一回挑戦してみたいね…という話はたびたび出るようになっていたんですよ。「いつか」やろうと。そんななかで色々なタイミングが重なって、まさにその「いつか」が「今」になった。まさに今こそ、30代、40代の日本のメインの担い手の人たちに、青臭い言葉かも知れませんけど、希望だとか、勇気だとか、友情パワーだとか、そういうかつて感動していたものを再び思い出してもらいたい。あえて仰々しく言うならそれがテーマですけど、そんな小難しいことをずっと考えてボクらは描いてるわけでもなくて、まずは単純に面白がってもらえたらそれでいいんですけどね(笑)。
中井:一言でいうなら「大人も楽しめる少年漫画」というのが、テーマですかね。相棒の出してくるセリフもそうですけど、ボクの描く絵のアングルにしても、そういう大人の読者を意識しながら、あえて少年漫画のセオリーでやっているところはたくさんあります。そういうところから『キン肉マン』ならではの単純な熱さを感じてもらって、少年少女だった頃のかつての気持ちを何かしら思い出してもらえたら、本望ですね。
嶋田:もちろん昔からのファンの30代、40代の人だけじゃなくて『Ⅱ世』から入った人や、また本作から新たに読み始めてもらえたような10代、20代の人にも喜んでもらえる作品を作っているつもりで頑張っていますので、新規の人もどんどんこの輪に加わってもらえると嬉しいです!


(写真左:嶋田隆司先生/写真右:中井義則先生)

――6月4日(月)には、新シリーズの2冊目となるジャンプ・コミックス第39巻の発売も予定されています! その見どころも少し教えていただけますか?
中井:ネタバレになるから深くは言えませんが、カバーイラストはかなり気合入れて描きますので、楽しみにしていてください!
――どんなキャラクターが描かれるのかすごく楽しみですが…それはまだ言えない!?
嶋田:まぁ言えないんですけど、ヤツらですよ(笑)。
――なるほど。ヤツらの最高にカッコいい絵がカバーで拝めるわけですね!
中井:はい。大集合で描きますので、ぜひお楽しみに!
嶋田:ヤツらがもう一回、全員そろってコミックスの表紙になる日が来るなんて、ボクらも少し前までは想像もしなかったことですけどね(笑)。もちろんカバーだけではなく、本編でも新たな敵と死闘を繰り広げて大活躍しますので、そちらもお楽しみに!
――そして告知がもうひとつ。6月の末から大阪の新世界と通天閣で、大きなイベントがあるとのことですが…?
嶋田:はい。今年の7月に新世界と通天閣が誕生して100周年を迎えるということで、キン肉マンが公式イメージキャラクターに選ばれまして。その頃には街のあちこちにのぼりが立ったり、キン肉マンやテリーマン、ロビンマスクの等身大のフィギュアが飾られたり、また通天閣内にも『キン肉マン』のミュージアムスペースが設営されて、複製原画や貴重なアイテムが飾られたりなど、かなり賑やかになる予定です。
――イベントも開催されるとか?
嶋田:ええ、ちょうどその直前の6月29日が金曜日なんですが、金(キン)曜日の29(ニク)日は「キン肉マンの日」として日本記念日協会にも認定されているということで、当日は現地でトークショーを開催する予定です。また7月3日(火)には大阪市が主催する式典がありまして、そこにもふたりそろって出席させていただく予定です。詳細は決まり次第、ゆでたまごの公式サイト(http://www.yudetamago.jp/)でも発表していきますので、追ってぜひご確認ください。
――まさに新世界の辺りは、両先生の出身地の近くでもありますね?
中井:実に光栄なことです。特にボクなんて、本当にそのすぐ近くの生まれですから。
嶋田:小さい頃に遊び回ってたところで、自分たちの作品が主役になって飾られるなんて、デビューした33年前には考えられなかったことですからね。なぁ?
中井:ええ、こんなに嬉しいことはないですよ。ボクら自身も楽しみにしていますので、みなさんもぜひ遊びに来てください!
――非常に楽しみです! これからもますます日本を元気にするような、面白い漫画を期待しています。頑張ってください!


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【バックナンバーはこちら】
●ゆでたまご両先生に聞く〝復活!火事場のマンガ製作裏話〟第1回
●ゆでたまご両先生に聞く〝復活!火事場のマンガ製作裏話〟第2回