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12.05.25

青年マンガ

大々々反響『キン肉マン』新シリーズ人気の秘訣とは? ゆでたまご両先生に聞く〝復活!火事場のマンガ製作裏話〟 第1回

昨年2011年11月より「週刊プレイボーイ」公式ニュースサイト「週プレNEWS」(http://wpb.shueisha.co.jp/)にて、24年ぶりの週刊連載復活を果たし、現在も大好評WEB連載中の『キン肉マン』!
その新シリーズ開始以降、初のコミックスが、かつての続刊「ジャンプ・コミックス」第38巻として2012年4月4日(水)に発売されると、即日完売となる書店が続出! なんと翌日に重版が決定されるほどの人気ぶりを見せつけた!!
華麗なる復活を遂げたこの名作作者・ゆでたまご(原作担当・嶋田隆司、作画担当・中井義則)両先生に、今シリーズの人気の秘訣や製作上の裏話、さらには今後の展望まで、様々なお話を伺った!!


――シリーズ復活後、初となるコミックス『キン肉マン』第38巻が先日発売されました。以降大反響が起こっているのは、先生方のお耳にも届いているかと思いますが、この現状をご覧になって、手応えは感じていらっしゃいますか?
ゆでたまご・中井義則先生(以下、中井):実際、新刊が品薄になっているという話はよく聞きますよね。個人的によく行く新宿の某書店さんでも、発売の数日後に売り切れていたのを自分の目でも見ましたし…。
ゆでたまご・嶋田隆司先生(以下、嶋田):へー、そんな大きなお店でも?
中井:そう、ビックリしたよ(笑)。
嶋田:ボクが最初に驚いたのはコミックス発売よりももっと以前、去年の連載を始める直前に「Yahoo!」のトップで「24年ぶりの連載再開!」ってニュースになって、その後もしばらく何日間か出続けてましたよね? あれを見て、まだ発表する前から「手応え」というより「プレッシャー」を感じました。まだ読者に見てもらってもいないのに、こんなに話題にされて…嬉しい反面、こりゃヘタなものは出せないぞと。第一話が掲載されて、もし読者にガッカリされたらどうしようって(笑)。


(写真左:中井義則先生/写真右:嶋田隆司先生)

――実際に第一話が掲載された後の反応は、いかがでした?
嶋田:ラストの武道が空から降ってくるシーンで、みんなワッと良い反応を示してくれたみたいで…。まずは上々だったようで安心しました。でも同時に思ったのは、そのわずか1か月前までやっていた『キン肉マンⅡ世』と比べても、反響の大きさが段違いで…こんなに待ってくれていた人がいたんだなって、少し目頭が熱くなりましたね。
――とはいえこの反響の大きさ、ある程度は予想されていたんじゃないですか?
嶋田:いや、そこは冷静でした。もっとも自分たちで作った原稿にそれなりの自信はありましたけど、それでも読者の反響については『Ⅱ世』よりは少しいいかな、程度に考えていたくらいです。ところが蓋を開けてみると、予想を遙かに超える大反響で…まずはその時点で身が引き締まる思いがしましたね。
――いくら原稿に自信がおありでも、出してみるまでわからない?
嶋田:怖かったですよ。読者の期待の大きさがそれ以上でしたから。でも中井君はその点、出す前から自信のある口ぶりやったよな?(笑)
中井:いや、ボクも反響については『Ⅱ世』より多少いいのでは、くらいの予想でした。ただこれはボクの意識の問題で、描いている最中から…今もそうですけど、何か感触が違うんです。作業の手順自体は『Ⅱ世』のときと何ひとつ変わっていないんですよ。でも一コマごとに対しての魂の入り方が、なぜか全然違う。これは別に『Ⅱ世』で手を抜いていたという話ではなくて、どちらも全力でやっているんですけど、不思議なものでね。自分たちの原点に戻ってきた、という思いがどこかで働いているんでしょうか。
――かつての若かった頃の感覚なども思い出しながら?
中井:まさにそうですね。実際には24年ぶりに『キン肉マン』として描くわけですが、その空白がなくて、あの時の気持ちのまま、年齢のままで続きを描いているような…そんな不思議な感覚です。『Ⅱ世』を描いていた時には思い出しもしなかったような、ジャンプ時代に考えていたことがふと頭をよぎったりするんですよ。今のシリーズを描いていると。あたかも体に染みついていた感覚が、勝手に湧き出てくるように。
――そこは嶋田先生も「ジャンプ時代の20代の頃に戻ったつもりで取り組んでいる」と、他のインタビューでもよく仰っていますよね?
嶋田:本当にそういうつもりでやってますね。すると「ああ、この超人はこんな性格やったなぁ」とか「この超人はこういう喋り方してたなぁ」とか。改めて思い出すことが、やっぱりどんどん出てくるんですよ。
――「マキマキ!」って叫ぶ超人がいたなぁとか?
嶋田:そうそう(笑)。特に今は『Ⅱ世』の時に一切出して来なかった悪魔超人たちをメインに描いているので、余計にそういう昔のことを思い出しながら。まるで止まっていた時間が、動き出したかのような感覚です。でもそれはボクらだけでなく、昔からのファンも聞くと同じらしいんですよね。最新話の更新が毎週月曜日なんですが、かつて『キン肉マン』を掲載していた「週刊少年ジャンプ」も毎週月曜日発売でした。だから当時の子供たちはみんな月曜を心待ちにしていたと聞くんですが、今はパソコンやスマートフォンの前で、同じ感覚で月曜日を楽しみにしてくれている…という人も大勢いらっしゃって。
中井:そうやね。当時子供だった現在30代や40代の人が、そんな体験を思い出しながら今も毎週月曜日を楽しみにしてくれている、なんて聞くと嬉しくてね。
嶋田:ボクら自身もまたワクワクしますよね。「そうだ、あの頃はそうやって楽しみにしてくれている子供たちに向けて、面白い漫画を描こうとしてたんや!」って。本当の意味で思い出せたような状態が、今の感覚なんですよ。そうして初心に返ったつもりで再びやれていますので、今はモチベーション的にも最高潮なんです。

(続きは5/28(月)に掲載します!)


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