負けたら懲罰——25日のロッテ戦(QVC)で4勝目を挙げた巨人・内海哲也(30)。ところが熱投の裏では、自らの失態で思わぬ大ピンチを招いていたことが発覚。敗れていれば懲罰必至だった前代未聞のアクシデントとは――。
この日の内海は7回まで2安打無失点と完封ペース。8回に3安打で2失点しマウンドを譲ったが、今季初の無四球で完全復調を印象づけた。
だが三者凡退で何気なく切り抜けたかに見えた立ち上がり、内海の身には思わぬ事態が発生していた。初回の内海の右手にはめられていたのは、いつもの赤茶色ではなく、黒いグラブだったのだ。実はこのグラブ、試合直前に急きょ山口のものを拝借した〝代替物〟だった。
内海によると、試合前の練習でグラブの革ひもが切れ、使用不能になってしまったのだという。スペアは持っていなかったため、後輩の山口に貸してもらうしかなかった。「こんなことは人生で初めて。動揺を見せないようにしましたが、正直、不安で仕方がなかった」と本音を漏らした。
山口のグラブは内海のものより、だいぶ軽い。貸した山口は「投手はそういう細かいところが気になる。もし打たれたら僕の責任なんじゃないかと思って、こっちがドキドキしていました。抑えてくれて良かった」と胸をなで下ろしたが、打たれていれば笑ってすまない問題だった。
野球選手にとって道具の手入れは仕事の一環。今回はチーム関係者の素早い応急処置で2回からは自分のグラブを使用できたが、準備を怠っていたと責められても仕方ない。ましてや内海は選手会長という立場。投球内容次第では、それなりに重い懲罰が科せられていた可能性もある。
一歩間違えれば、チームの勢いを止めたとして叩かれても文句は言えない大失態。それでも内海はなんとか自力でピンチを切り抜けヒーローになった。その精神力はさすがといっていい。