アウトリーチ(Public Outreach)とは,「研究開発を行う機関が一般社会に赴いて教育・普及・啓発等の働きかけを行うこと」を意味します.地震研究所では,この活動を組織的かつ効率的に行うため,平成15 年(2003年)にアウトリーチ推進室を設けました(2010 年に広報アウトリーチ室に改称).その理念は,①一般市民や自治体等へ研究成果やその知見を普及・啓発・広報する,②教育や研究ニーズを把握し,それに基づく研究計画の策定を検討する,ことです.科学コミュニケーションの技法も取り入れながら,具体的には次のような活動を展開しています.
1)ホームページや報道機関を通した広報活動
地震研究所の研究活動や教育活動に関する情報をホームページ・広報誌等を通じて公開しています.重要な調査観測や研究成果についてはホームページで速報するほか,報道機関を通すなど,一般の方へ届くよう情報発信をしています.また地震・火山に関する取材や一般からの問合せへの対応も広報アウトリーチ室で行っています.
2)公開講義等の普及・啓発活動
地震・火山に関する研究の最先端やその魅力を伝えるため,公開講義や一般公開,施設見学会などを開催しています.また,自治体や教育機関の講演会や勉強会への協力,小中高校生の総合学習等による見学訪問の受け入れなども行っています.
3)防災担当者や報道関係者等の専門家教育
地震・火山防災の担当者や報道関係者に,地震・火山に関する研究の動向等を紹介するとともに,関係者との意思疎通の促進を図るため,毎月懇談会を開催しています.
4)防災関係省庁や自治体等との連携・技術移転の促進
専門的な立場からの防災担当機関への助言や,地震研究所が開発した技術の応用・移転に取組んでいます.