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【お知らせ】平成22年度の富士山登山者数について
2010年9月17日
箱根自然環境事務所
富士五湖自然保護官事務所
沼津自然保護官事務所
環境省では、富士山の登山者数を把握するため、平成17年度から4登山道の各8合目付近に赤外線カウンターを設置して登山者数調査を実施しており、今般、平成22年度の調査結果がまとまりましたので、お知らせします。
富士山の主要シーズンである平成22年7月1日から8月31日までの富士山8合目でのカウント数の合計は約32万1千人で、今夏の好天などにより、昨年度に比べて約2万9千人増加し、平成17年度の計測以来、過去最高の登山者数となりました。
1.調査の背景
富士箱根伊豆国立公園富士山への登山者数については、平成16年度までは登山口の車両数や吉田口登山道6合目での通過者数調査等から推計しており、富士山山頂部への登山者数を把握するまでには至っていませんでした。
このため環境省では平成17年度から、富士山山頂部へのより正確な登山者数を把握し、公園の適正な利用の推進に資するため、4つの登山道(吉田ルート、須走ルート、御殿場ルート及び富士宮ルート)のそれぞれ8合目付近に赤外線カウンターを設置することにより登山者数調査を実施しています。
2.今年度の集計結果
平成22年度の結果は以下のとおりです。なお、カウント数はカウンターが濃い霧に対して誤作動を起こしている場合があることが確認されたため、平成19年度から22年度の登山者数は補正を行っています。(3.(4) 参照)
[1] 平成17年度からの推移
平成22年度の富士山8合目における全登山者数は、約32万1千人で、平成17年度の約20万人から過去6年間で約12万人増加(約1.6倍増)しており、昨年度と比較して約2万9千人増加し、平成17年度の計測開始以来過去最高の登山者数となりました。
平成17年度 | 平成18年度 | 平成19年度 | 平成20年度 | 平成21年度 | 平成22年度 | |
全登山者数(人) | 200,292 | 221,010 | 231,542 | 305,350 | 292,058 | 320,975 |
なお、荒天によるカウンターの故障により、御殿場ルートの平成22年7月5日10時頃から7月19日13時頃までのデータが欠損しています。
[2] 登山道別の割合及び平成17年度からの推移
各登山道別の登山者数及び全体登山者数における各登山道別の登山者数の割合は、多い順に、吉田ルートで約18万4千人(約57%)、富士宮ルートで約7万9千人(約24%)、須走ルートで約4万8千人(約15%)、御殿場ルートで約1万人(約3%)です。一部にデータの欠損のあった御殿場ルート以外の各登山道で増加傾向にあります。
平成17年度 | 平成18年度 | 平成19年度 | 平成20年度 | 平成21年度 | 平成22年度 | |
吉田ルート | 108,247 (54%) |
119,631 (54%) |
132,980 (57%) |
172,369 (56%) |
169,217 (58%) |
184,320 (57%) |
富士宮ルート | 57,962 (29%) |
61,611 (28%) |
54,011 (23%) |
64,034 (21%) |
67,590 (23%) |
78,614 (24%) |
須走ルート | 25,416 (13%) |
30,536 (14%) |
33,394 (14%) |
52,323 (17%) |
43,861 (15%) |
48,196 (15%) |
御殿場ルート | 8,667 (4%) |
9,232 (4%) |
11,157 (5%) |
16,624 (5%) |
11,390 (4%) |
9,845 (3%) |
図1:平成17年度からの富士山の登山者数及び登山道別の登山者数の推移
[3] 平成22年度における日別登山者数の推移
吉田ルート、須走ルート、富士宮ルートでは、登山者は土日及び8月のお盆の時期に集中するほか、シーズンを通しては、気温の低い7月の上旬までは比較的少なく、7月中旬から8月末までの時期に多くなる傾向がありました。特に、8月中旬において登山者数は減少したものの、8月下旬においては登山者数が増加する傾向が見られました。
図2:平成22年度の各登山道における日別登山者数
登山者数 (H22) |
平均気温 日平均 (H22) |
平均気温 日最高 (H22) |
平均気温 日最低 (H22) |
平均気温 (平年値) |
最高気温 (平年値) |
最低気温 (平年値) |
||
7 | 上旬 | 16,344 | 4.1 | 6.8 | 1.5 | 3.6 | 6.0 | 1.3 |
中旬 | 35,830 | 6.3 | 9.5 | 2.9 | 4.6 | 7.1 | 2.2 | |
下旬 | 63,419 | 7.0 | 10.4 | 3.8 | 5.6 | 8.6 | 3.2 | |
8 | 上旬 | 71,602 | 8.6 | 12.4 | 5.6 | 6.1 | 9.1 | 3.5 |
中旬 | 58,775 | 7.8 | 11.4 | 5.6 | 6.2 | 9.3 | 3.6 | |
下旬 | 75,005 | 8.5 | 12.2 | 5.7 | 5.7 | 8.8 | 3.1 | |
*気温は気象庁のデータを引用 |
図3:平成22年の旬別登山者数の割合
なお、登山者数が最大だった日は、7月31日(土)で、4登山道合計で約1万3千人でした。7月18日(日)、7月24日(土)、8月7日(土)、8月21日(土)、8月28日(土)も同様に約1万人を超えています。
各登山道別の最大カウント数及び日程は以下のとおりです。
登山道 | 最大カウントした日 | 最大カウント数(人) |
吉田ルート | 7月31日(土) | 6,692 |
富士宮ルート | 7月31日(土) | 3,501 |
須走ルート | 7月18日(日) | 2,441 |
御殿場ルート | 8月1日(日) | 627 |
(参考)各ルートにおけるマイカー規制日時
- 吉田ルート(富士スバルライン)
- 8月6日(金)0時から8月17日(火)24時まで
- 富士宮ルート(富士山スカイライン)
- 7月16日(金)17時から7月19日(月)17時まで
- 8月6日(金)17時から8月15日(日)17時まで
- 8月20日(金)17時から8月22日(日)17時まで
- 須走ルート(ふじあざみライン)
- 8月6日(金)0時から8月8日(日)正午まで
- 8月13日(金)0時から8月15日(日)正午まで
[4] 平成22年度における時間別登山者数の推移
吉田ルートでは、時間によって登山者数の変動が激しく、16時から17時までの夕方(※1)と23時から25時までの深夜(※2)に2つの登山者数のピークが認められました。
富士宮ルート及び須走ルートでは、日中に8合目を通過する登山者が多いものの、夜間登山者も多くみられました。御殿場ルートにおいても、夜間登山者が見られます。
全登山道において、昨年度よりも夜間登山者が増える傾向があります。
(※1:この時間帯のピークは、主に山小屋で宿泊する登山者によるものと推定されます。)
(※2:この時間帯のピークは、主に山頂で御来光を見る予定の登山者によるものと推定されます。)
図4 平成22年度及び平成21年度の時間別登山者数
3.調査方法概要
(1)カウンター設置位置
全ての登山口からの利用者を把握するため、山小屋の協力(※3)を得てカウンターを4登山道のそれぞれ8合目付近に設置しました。(5.参照)
※3:協力頂いた山小屋は以下のとおりです。
吉田ルート:太子館、須走ルート:見晴館、御殿場ルート:赤岩八合館、富士宮ルート:池田館
(2)計測機器について
設置したカウンターは、赤外線反射を利用してセンサーにより通過人数をカウントする仕組みです。日時、方向(上り下りを識別)が記録され、日ごとの登山者数等を把握することができます。
(3)データの欠損について
雷雨の発生や台風の接近時には、カウンターを一時的に山小屋に撤去しているため、データが一部欠損している場合があります。また、今年度は御殿場ルートにおいて、荒天によるカウンターの故障があり、7月5日10時頃から7月19日13時頃までのデータが欠損しています。
(4)カウンターの数値と補正
カウンターが濃い霧に反応していることが確認できたため、実測データはカウンターの誤作動の結果を含むと考えられたことから、各登山道の実測データに対して、1秒以内に連続カウントしている部分を排除するという補正を行いました。
なお、吉田口登山道の場合は、カウンターを設置している登山道の幅が比較的広く、混雑時には特に登山者が並列し、かつ連続的に通過しており、実際の登山者数に比して実測値が低くなっている可能性があります。
4.参考
富士山は標高3,776mの日本で最も高い山であり、気候の変化が激しく夏でも零下になるなど気象条件は厳しいですが、軽装で登山をする方が多く見受けられます。富士山を登山される方は、現地の情報を十分に収集し、万全な装備で安全に留意して登山するようにお願いいたします。
5.カウンター設置位置
6.連絡先
- 環境省 関東地方環境事務所 国立公園・保全整備課
- 箱根自然環境事務所 所長 東岡 礼治 TEL:0460-84-6920
沼津自然保護官事務所 自然保護官 澤栗 浩明 TEL:0559-31-3261
富士五湖自然保護官事務所 自然保護官 岡島 一徳 TEL:0555-72-0353