債務超過で上場できない状態の自社の未公開株を販売し、多額の現金をだまし取ったとして、福岡、佐賀、長崎、大分県警の合同捜査本部は２９日、ビル管理会社「東京メンテナンス」（東京都中央区）元社長、亀井正行容疑者（７３）＝浜松市南区安松町＝ら６人を詐欺容疑で逮捕した。合同捜査本部は、未公開株を購入させるなどの手法で亀井容疑者らが九州を中心に２８都道府県の高齢者ら約２００人から総額約３億円を集めたとみている。

　他に逮捕されたのは▽東京都板橋区宮本町、元同社株式公開準備室長、早川誠（６４）▽墨田区八広１、元同社営業員、王淑美（６１）▽江東区東陽４、同、川合純恵（５８）▽埼玉県越谷市千間台西３、同、及川章（５９）▽同県狭山市富士見１、元同社総務部長、津田勝（６７）−−の５容疑者。逮捕状を取っている残り１人も逮捕する方針。今後、組織犯罪処罰法違反（組織的詐欺）容疑での立件も念頭に捜査を進める。

　逮捕容疑は、０９年１月〜１０年３月、計１５回にわたり福岡県内の自営業の女性（８０）ら４人に「東京メンテナンスは上場します」「上場すれば１株が数百万円になる」とうそをつき、計６４０万円をだまし取ったとしている。