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国際
中国「海洋観測新法」の不穏な内容 尖閣支配に向けた法制化の一端
2012.5.30 09:48
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海面の状況を観測して、航行する船舶や操業中の漁船に提供するサービスは、経済効果の点から本来は歓迎すべきだろう。だが、中国政府が6月1日から施行する「海洋観測予報管理条例」は、日本を含む中国の周辺国にとり、いささか不穏な内容を含んでいる。(フジサンケイビジネスアイ)
話の前提として断っておく。中国や台湾での「条例」とは、特定の目的のために制定される立派な法律であり、地方議会が制定する日本のそれではない。
中国の国家海洋局が行った説明によるなら、この新条例は、海洋観測ステーションやブイを設置して53の漁場で潮流や海水の塩分濃度など海洋情報を観測するという。そして、この観測対象には中国が「釣魚島」として領有権を主張する沖縄県石垣市の尖閣諸島や、南シナ海の係争海域も含まれるという。
しかも、条文をよく読むと、中国が主張する「領海」(接続水域を含む)で「外国組織や個人」が行う観測は、中国の法令に従うよう義務づけられる一方、中国が設置した施設や設備の「破棄」や「撤去」には、罰則が設けられている。
つまり、こういうことだ。尖閣諸島に中国がある日海洋観測ステーションの建設を始めた…という想定はあまりに一足飛びなのでやめておくとしても、尖閣周辺の日本領海や接続水域に中国が観測用のブイでも浮かべた場合、これを撤去すれば「違法」だというのが、この新条例のいわんとするところなのである。
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