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地方
飲酒運転撲滅条例の制定求め県に要望書 高校生の息子亡くした夫婦 広島
2012.5.30 02:03
広島市内で1年前、飲酒運転の車にはねられて高校生の長男を亡くした三浦克哉さん(44)と由美子さん(42)夫妻=広島市安佐南区=が29日、県や県警などに飲酒運転撲滅条例の制定を求める要望書を提出した。「私たちと同じようなつらい思いはしてほしくない」。要望書には、後を絶たない悲惨な事故を憂う両親の切実な願いが込められている。
崇徳高校2年だった三浦さん夫妻の長男、伊織さん=当時(16)=は昨年5月2日夜、広島市安佐南区の県道で、自転車で帰宅途中、酒を飲んで運転していたトラック運転手(45)=危険運転致死罪で懲役10年が確定=の軽乗用車にはねられ死亡した。ほぼ即死状態だった。
だが、その後も全国で相次ぐ飲酒運転での死亡事故。「飲酒運転は、本人の自覚に頼るだけではなくならない」。伊織さんをはねた男が、公判で危険運転とは終始認めなかったのを目の当たりにし、夫妻は弁護士とも相談し要望書の作成にとりかかっていた。
要望書では、飲食店や運送業者の飲酒運転撲滅への積極的な取り組みが重要▽再犯者には、自覚に頼らない対応措置が必要▽子供たちへの命の大切さを教える教育や交通ルールの順守を-などと訴えた。
この日は、由美子さんが直接、県庁などを訪れ要望書を提出。「説明を受け、県でも熱心に飲酒運転撲滅に取り組んでいるのが分かった」と由美子さん。県は、飲酒運転をした人にアルコール依存症に関する診断を受けさせ、受診しない者には罰則も設けた福岡県条例(9月施行)も参考に、撲滅に取り組みたいとしている。
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