事件【主張】中国の諜報活動 書記官出頭重ねて求める+(1/2ページ)(2012.5.30 03:22

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事件

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【主張】
中国の諜報活動 書記官出頭重ねて求める

2012.5.30 03:22 (1/2ページ)主張

 在日中国大使館の1等書記官が不正に銀行口座を開設し、ウィーン条約が禁じた商業活動を行っていたことが明るみに出た。警視庁が外務省を通じて出頭要請したが、大使館側が拒否し、書記官は一時帰国した。

 書記官は外交官の身分を隠して銀行口座を開設するため、虚偽の住所などを記した申請書を東京都内の区役所に出していた。以前に使っていた外国人登録証を不正に更新した外国人登録法違反(虚偽申告)などの疑いが持たれている。一般の外国人なら強制捜査の対象になる事件だ。

 外交特権を持つ書記官を逮捕することはできないが、書記官が外交官の地位を利用してスパイ活動を行っていた疑いが極めて強い。日本政府は中国当局に対し、書記官を警視庁に出頭させるよう重ねて要請すべきである。

 書記官は中国人民解放軍総参謀部の情報部門出身とみられ、外交官になる前から、何度も日本に入国し、東大や福島大などに籍を置いていた。多くの政治家を輩出した松下政経塾の特別塾生になったこともあり、学界や政財界に人脈を築いていた。要注意人物だ。

 今回の事件を受け、藤村修官房長官は「個別の捜査の案件なので答えは控える」と話し、松下政経塾出身の玄葉光一郎外相は「今朝(省内の)関係者から聞いた。背景、事実関係はまだ承知していない」と述べるにとどめた。

 警視庁が捜査している事件とはいえ、国益が絡み、単なる犯罪ではない。人ごとのような対応では済まされない。

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