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福島知事「事故対応に不備」 国会調査委参考人聴取

国会事故調で発言する佐藤知事=29日午後、福島市

 国会の福島第1原発事故調査委員会(国会事故調)は29日、福島市で佐藤雄平福島県知事から参考人聴取した。佐藤知事は緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)のデータ誤消去や住民への避難指示などの情報の管理と伝達について、「連絡網が途絶えてうまくいかなかった。情報が交錯する中で見逃すなど、組織上の問題があった」と県の対応に問題があったと認めた。

 情報処理に不適切さがあった理由を尋ねられ、「原子力の安全(対策)は第1次的には国。雨が降れば『傘を差す』『かっぱを着る』という指示が来ると思っていた」と述べた。
 野村修也委員(中央大法科大学院教授)は、佐藤知事が2010年8月、第1原発3号機の耐震安全性評価の中間報告に津波対策が盛り込まれていなかったにもかかわらず、ウランとプルトニウムの混合燃料を用いるプルサーマルの実施を判断した点を指摘。「県が国に指摘すれば津波対策は講じられたのではないか」とただした。
 佐藤知事は「(中間報告は)承知していない」と証言。プルサーマルの受け入れ県に国が交付金を支払う制度が判断に影響したかどうかについては「全く関係ない」と強調した。
 事故調の黒川清委員長(元日本学術会議会長)は終了後に記者会見し、「国から県に対する情報開示と、それを受けた県から住民への情報開示の在り方に疑問が残った。緊急時の国と県の役割分担についても認識を改めさせられた」と話した。


2012年05月30日水曜日


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