小林崇央 区長に大きく2点質問させていただきます。
小一プロブレムについて。
小学校入学後の子どもたちが集団生活になじめず、授業中に騒いだり、席を立ったりして授業が困難になる『小1プロブレム』が深刻化しています。
東京都教育委員会が、2009年に都内の公立小1,313校を対象に実態調査したところ、
『小1プロブレム』が4校に1校で発生していたことがわかりました。
こうした中で、『小1プロブレム』に対する取り組みが各地で進められています。
文京区の青柳小学校では、東京都が進める『就学前教育プログラム』の一環として、
昨年度から新1年生となる地域の保育園、幼稚園の年長児が同小学校を訪れ、小学生とともに、図工や音楽の授業、給食、運動会などに参加することにより、入学前から小学校の環境に親しむことでスムーズに学校生活になじめるようにしています。
また、入学後の取り組みとしては、仙台市立鶴巻小学校では、入学から約1ヶ月間、1年生が合同で毎朝同じ授業を受け、授業内容も幼稚園や保育園の雰囲気に近づけるなど、導入期間に手厚い対応をしています。
そこで、区長にお尋ねします。
『小1プロブレム』は、現在渋谷区ではどのような状況になっているのでしょうか?また、渋谷区でも『小1プロブレム』についての取り組みが行われているのか。その際に、幼稚園、保育園と小学校の交流や、指導者と保護者の連携が不可欠と思いますが、区長に所見をお伺いします。
次に百軒店・円山町エリアのまちづくりについてお尋ねします。
渋谷駅周辺の整備にあわせ、既に桜丘地区など2地区で地区計画が策定されたほか、道玄坂1丁目地区等3地区で地区計画の策定が予定されていますが、これらの地区に隣接する百軒店・円山町エリアでも地区計画を策定することが必要と考えております。
現在、百軒店・円山町エリアでは、地元の商店会、町会が中心となり、まちの活性化のためのまちづくりの運動が続けられています。国や渋谷区からの助成金を受けて行った活動でも、六調査事業などが実施されております。
これまでの地元商店会、町会の地道な活動の結果、百軒店・円山町エリアの活性化のためのまちづくりの方策について、地元案がまとまってきております。
地元案では、建設規制を暖和することを内容とした『町並み誘導型地区計画』をランブリングストリート沿いにかけることにより、個別の建て替えや共同化が促進し、建て替えとともに建物のセットバックがなされることにより、豊かな歩行者空間が創出され、安心・安全の回遊銅線が、時間をかけながら、徐々に整備されることを目指しております。
この計画によれば、区の財源はほとんど必要とせず、民間の資金によって、個別の建て替え、共同建て替えを誘導し、ランブリングストリートを拡大することができることになります。これによって、来街者を呼び込む太い銅線が整備され、その結果、円山町西側及び、百軒店東側へと波及し、エリア全体を活性化することにつながると思います。
そこで、区長にお尋ねします。
地元の立案によって地区計画地区案までまとめられ、それに対する地域の大方の合意・賛同がなされている状況の中、渋谷区として、地元と連携し、地区計画案の実現と、それを契機としたこのエリアの活性化を推し進めていくことが大事と思いますが、区長の所見をお伺いします。
区長 桑原敏武 小林崇央議員の一般質問にお答えをしたいと思います。
まず、『小1プロブレムについて』の現状についてお尋ねでございました。
この小学校に入学したばかりの1年生が、授業中に座っていられない、話を聞か
ない状況が数ヶ月にわたって継続したり、あるいは1年生の中には『小学校の1日の流れや、学校のきまりなどがよくわからない』『新しい友達や先生となかなか仲良くなれない』などの環境変化に伴う不安や悩みを抱えていると教育委員会から聞いております。
教育委員会は、平成21年度から既に区内の公立小学校・幼稚園・保育園の教員・保育士に対し、『小1プロブレムと思われる児童がいた』と回答した小学校教員は過半数を超えたと、このように聞いております。
このように、小学校入学時のつまずきが、その後の学習意欲の低下、不登校などにつながるおそれがあり、小1プロブレムは解決しなければならない課題でございます。
このような認識のもとに、平成21年度には、子ども家庭部と教育委員会が、『渋谷区幼児教育プログラム作成委員会』を設置し、小1プロブレム解消のため区独自のプログラムづくりに着手し、平成22年度版を作成しております、
その作成・検証過程の中で、昨年夏に行われた幼稚園教員・保育士・小学校教員による合同研修会において、研修保育や実践事例の発表、情報交換等、先生方は実に熱心な取り組みをされております。
その研修会の中で、既に多くの幼稚園・保育園では、近隣の小学校と、体験授業や交流給食、学校行事への参加などを通し、議員ご指摘の『体験入学』に当たる相互の交流に努めていられることを知っております。例えば、学校行事に幼稚園児・保育園児だけでなく、その保護者も招待し体験給食を実施したり、入学説明会の場で、小学1年生の生活を丁寧に説明しております。
さらに、入学当初の時間割りを工夫したり、2年生と一緒に学校探検をしたりと、新入生が早く小学校になれ、学校が好きになるよう様々な工夫をし、他の区市に劣らぬ研究・調査を実践されております。御安心下さい。
今年度中に教育委員会は、『渋谷区幼児教育プログラム23年度版』を完成させ、4月には、区内すべての区立幼稚園・保育園・小学校及び私立幼稚園・保育園にも配布し、渋谷区全体で実践することによって、幼児教育の質を高めるよう、より一層、幼稚園・保育園・小学校の連携を図り、小1プロブレムの解消に努めているところでございますので、御理解をいただきたいと思います。
次に、百軒店・円山町エリアのまちづくりについてのお尋ねでございます。
渋谷駅中心地区では、駅及び都市基盤の再編整備、それと連携した大規模な再開発が予定され、都市再生の先導役として重要な役割を担つております。
百軒店・円山町エリアにおいても、こうしたまちづくりの動きにタイアップして本区のコンサルタント派遣を活用し、『渋谷の顔となってきたにぎわいの拠点エリア』として、地形・発展経緯や歴史・文化を踏まえたまちづくりが計画検討されているようでございますが、いまだ区には報告はございません。
いずれにいたしましても、まちづくりは、中小企業・商店の活性化につながることでございますので、その報告を受けた後、区として検討してまいりたい、このように思っております。以上、答弁といたします。
小林崇央 区長、本当に丁寧な御答弁ありがとございます。
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