特集ワイド:「放射能検査済み」実態はごくごく一部
毎日新聞 2012年05月28日 東京夕刊
さらに検査が放射性セシウムに限られていることも問題だと言う。「水産物では、放射性物質の濃縮のピークは1〜2年後と言われています。比較的体外に排出されやすいセシウムよりも、蓄積されやすいストロンチウムの方が心配です」。ストロンチウムは骨への沈着が多く、生物学的毒性が強いとされる。
安田さんは「安全な食を担保するには、政府はもちろん、生産者、市場、小売業者、消費者とあらゆる段階で測定することしかありません」と力を込める。
ベクミルの高松さんによると、昨年10〜12月ごろには8割前後だったベクミルの稼働率は、年明けになって大幅に落ちた。「みんな放射能の心配をするのに疲れてきて、一般に流通しているものについては大丈夫と考える人が増えたのではないでしょうか」
安全に「100%」がない以上、何が「どの程度」安全なのかは自ら見極めるしかなさそうだ。
==============
◇「特集ワイド」へご意見、ご感想を
t.yukan@mainichi.co.jp
ファクス03・3212・0279