赤瓦屋根の古民家で、共同生活を送る大久保信克さん(右)と安里仁一郎さん(中央)。左は友人の横山允彦さん。友人の輪が広がる利点もある=那覇市寄宮
大久保さんと安里さんがシェアしている古民家=那覇市寄宮
「ギークハウス沖縄」発起人の玉城辰朗さん(右)と玉城さんのシェアメート比嘉正栄さん=那覇市古波蔵の「ギークハウス沖縄」
毎週水曜日は県内のエンジニアが自由に集まり、勉強会の場にもなっている=那覇市古波蔵の「ギークハウス沖縄」
シェアしているものは「人生」「志」や「電源と無線LAN」−。家族や親族以外の人と住まいを共有するシェアハウス。欧米に比べ、日本ではなかなか浸透していないが、近年、若者を中心に増えてきている。最近は、インターネット上で知り合った人たちが一緒に住む「ギークハウス」という新しい形のシェアハウスも誕生、全国に広がっている。家賃を安く抑えることだけが目的ではない。経験者らは「共感できることがあるからいい」と口をそろえる。県内のシェアハウスに住む人たちに話を聞いた。(東江亜季子)
■赤瓦と風情に憧れて 異世代で学びも刺激も/古民家
那覇市寄宮の住宅街。緑に囲まれ、優しい風が吹く赤瓦屋根の古民家の住人は、大久保信克さん(23)と安里仁一郎さん(54)。玄関先には月桃が咲き、朝にはニワトリの鳴く声が聞こえる古民家にほれ込み入居した。
兵庫県出身の大久保さんは昨年4月、沖縄の会社に入社。沖縄への就職が決まっていた大学の友人とその同僚の3人でシェアを始めた。一方、安里さんは2年半前、沖縄に「自主単身赴任」。家族は愛知県に住んでいる。京都の町屋に住んだ経験もあり、古民家が好きだという安里さんは今年3月、転職を機に「沖縄らしい、風情がある家」を探していた。
もともと2人は東日本大震災の支援活動で出会った顔見知りだった。今年3月、シェア仲間の退居をきっかけに、インターネットの交流サイト「フェイスブック」で新しい入居者の募集を呼び掛けたところ、その日のうちに安里さんから返事があり、翌日には入居が決まったという。4月から2人のシェア生活が始まった。
入居時に「早起きしますけど、大丈夫ですか」と大久保さんが確認した以外、2人の間に取り決めはない。食事や洗濯は別々。月4万円の家賃は、部屋の大きさに応じて分担。お互いの友人・知人を招いて宴会を開くと、異業種・異世代交流の場にもなる。安里さんにとって大久保さんは、娘よりも3歳年下。「一緒に住んで若い人の頑張りや考えに刺激を受けるようになった。ライバルでもある」と語る。大久保さんは「安里さんから学ぶことは多い。自分のやりたいことにつながる知恵をもらえる」と話す。
プロ野球や政治など共通の話題も見つけた。現在は民主化が進むミャンマーを一目見ようと意気投合し、旅行を計画している。
現在空いている一部屋の住人も募集中。2人は「現代の葛飾北斎のような感性の高いアーティストが入れば、相乗効果でもっといい」と盛り上がる。
■ネットで知り合う 干渉せず緩くつながる/ギークハウス沖縄
「ギークハウス沖縄」を名乗り、インターネットをきっかけに知り合った6人が那覇市古波蔵の一軒家をシェアしている。
今春大学を卒業した発起人の玉城辰朗さん(22)は、在学中から、プログラミングを勉強していた。分からないことがあれば、短文投稿サイト「ツイッター」や自身のブログに投稿。シェアメートの比嘉正栄さん(22)らから、ネット上でアドバイスをもらう仲だった。
県外の「ギークハウス」を知っていた玉城さんは、次第に「沖縄にも、ネットを共通項にした緩いつながりの拠点をつくりたい」と思い始める。昨年12月、ツイッターで交流があった比嘉さんら2人を誘い、他に希望する仲間とのシェアが決まった。
欧米では一般的だが、日本ではなじみのないシェアハウス。「大家さんや管理会社の理解を得ることは難しい」と聞いてはいたが、やはり苦労した。100件以上の物件情報をネットに投稿し、お互いに情報を共有。条件に合った物件を決め、不動産と交渉した結果、許可が下りた物件は2件だった。
現在、同居する仲間は20代〜30代。それぞれに4畳〜8畳ほどの個室があり、和室、リビング、キッチンは共同で使用している。月10万円の家賃は入居者6人と作業スペースとして頻繁に利用する2人が支払う。家具は全てもらいものだという。
一つ屋根の下に同居するが、呼び名はツイッターのアカウント名。会話もほぼネット上で行う。「仲良くはなりたくないけど、そばにいてほしい。でも、いつでも出て行ける雰囲気をつくらないと、一緒に住むには息苦しい」と玉城さん。「他人と住むのもいいですよ」と一言。
沖縄への移住者や長期滞在者の存在を背景に挙げ、「シェアハウスは沖縄に親和性があると思う。文化にしたい」と期待する。
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