政府が若者雇用戦略の原案5月28日 19時14分
政府は、深刻化する若者の雇用状況を改善しようと、大企業志向が強い学生と、採用意欲がありながら人材を確保できない中小企業との間のミスマッチを解消するため、政府版の就職情報サイトを作ることや、大学や高等学校にいわゆる「キャリア教育」を実施させることなどを盛り込んだ、雇用戦略の原案をまとめました。
内閣府の推計によりますと、おととしの春、大学や専門学校を卒業した人などのうち、52%は就職できなかったり就職しても早期に自分の都合で勤め先を辞めたりしています。
こうした事態に、政府は、若者の雇用状況を改善しようと、「若者雇用戦略」の原案を取りまとめました。
それによりますと、大企業志向が強い学生と、採用意欲がありながら人材を確保できない中小企業との間のミスマッチを解消する必要があるとして、知名度は低くても独自の技術やサービスで成長している中小企業などを紹介する政府版の就職情報サイトを新たに作り、学生への情報発信を強化するとしています。
また、企業がどの学校の出身者を採用したかなどの情報をできるだけ詳しく公表させることで、学生の就職活動の参考にしてもらうとしています。
さらに、せっかく就職しても、仕事の内容が自分に合っていないなどとして、早期に会社を辞める若者が多いことから、大学や高校に、原則として1年生のうちからキャリア教育を実施させるとともに、学生の職場体験「インターンシップ」を産学官で支援する協議会を新たに設置し、学生に働くことの意味や仕事の内容を学んでもらうなどとしています。
政府は、これまで、若者の雇用対策を再三打ち出してきましたが、十分な効果を挙げられていないのが現状です。
今回示した雇用戦略が、厳しい雇用状況の打開につながるのか、その実効性が問われそうです。
“戦略の着実な実施を”
会議の中で、古川経済財政担当大臣は「次の時代を担っていくのは、いつの時代も若者だ。若い人たちにしっかりした雇用の場があって、それが生活にもつながっていくわけなので、来月、若者雇用戦略として正式に決定したうえで、関係者、政府が一体となって、戦略の着実な実施に努め、若者を取り込んだ成長を目指していきたい」と述べました。
|
[関連リンク] |
|