増資インサイダー、監視委が旧中央三井とあすかへの課徴金納付を勧告
[東京 29日 ロイター] 証券取引等監視委員会は29日、旧中央三井アセット信託銀行(現三井住友信託銀行)とあすかアセットマネジメントに対し、課徴金を科すよう金融庁に勧告したと発表した。検査の結果、運用担当者が公募増資の情報を会社の正式発表前に入手し、金融商品取引法で禁じられているインサイダー取引を行った疑いがあると判明した。
これにより増資インサイダーをめぐる課徴金納付命令の勧告は3件目となる。
旧中央三井アセットの運用担当者は、2010年に行われたみずほフィナンシャルグループ(8411.T: 株価, ニュース, レポート)の公募増資における主幹事証券会社の営業担当者から事前に募集勧誘を受けた。その上で、保有していた現物株を売り、株価が下がった段階で公募増資に応募し、株価下落で発生する損失を最小限にとどめていた。旧中央三井に対する課徴金は8万円。
企業の増資情報を事前に使ってインサイダー取引を行う「増資インサイダー」問題をめぐって、旧中央三井が課徴金納付命令を受けるのは2回目。同社の別の運用担当者は3月、国際石油開発帝石(1605.T: 株価, ニュース, レポート)(INPEX)の増資に関する情報をもとにインサイダー取引をし、5万円の課徴金を納付する処分を受けていた。
29日会見した監視委幹部は、こうして複数の増資インサイダーが行われていたことが明らかになり、「わが国の市場の透明性・公正性に資することだと思っている」と述べた。また、他の事例について、今後も引き続き調査を進めていることを明らかにした。
監視委はこの日、みずほFGの情報を事前に流した証券会社名は明言しなかった。主幹事である「グローバルコーディネーターの1社から流れた」とは述べた。漏えい元は、上司と部下の関係の男性2人だったという。
複数の関係筋がロイターに明らかにしたところによると、増資情報は、野村ホールディングス(8604.T: 株価, ニュース, レポート)傘下の野村証券から事前に流れたことがわかっている。
一方、あすかAMは空売りを頻繁に運用に使うヘッジファンド運用をしており、もともと日本板硝子(5202.T: 株価, ニュース, レポート)株式を保有していなかった。運用担当者は、公募増資で需給が緩んで株価が下がると想定した上で、日本板硝子株式を借りて売りつける空売りを行った。その後、新株を応募して購入し、借株を返還することで利益を得た。 続く...