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2007年09月27日 12:54

「正直者が得をする!」クチコミPRの真実

マーケティング
こんにちは、清水です。
今回は、私が担当している「クチコミPR」について説明します。

みなさんの中でマーケティングやプロモーションを仕事にしている方であれば、最近の流行として「クチコミPR」「バズ・マーケティング」(Buzz Marketing)というキーワードをご存じだと思います。

■クチコミPRとは
クチコミPRをご存じではない方に向けて、大まかな流れを図で説明します。
クチコミイメージ
(1)メーカーからクチコミPRの依頼を受ける
(2)ブロガーに向けて、商品(事柄)の告知をする
(3)ブロガーからの応募
(4)運営側で抽選または選抜し当選したブロガーに商品(事柄)を提供
(5)ブロガーが体験したことを自分のブログに掲載
(6)参加ブロガー、メーカー、ブログの読者の3者がトラックバックやコメントを行う
  ――ここで「クチコミ」が発生――
(7)運営側で効果測定を行いメーカーにレポートを提出

この一連の流れは、「ある商品(事柄)に興味のあるブロガーに、その商品(事柄)を体験してもらい、感じた本音をありのままに記事にしてもらう」と言い換えられます。さらに、やや堅苦しい言葉に換えれば「消費者主導型のプロモーションにまつわるコミュニケーション」の流れだとも言えます。

ここで「クチコミPRってヤラセくさいんですけど……」と感じられた方は、なかなか深いポイントを突いています。
「クチコミPR」という言葉には、性質の異なる2つのプロモーション方法が含まれます。

■2つのプロモーション方法
まず1つ目が、ペイド・パブリシティ(Paid Publicity)です。これは「一見すると記事に見えて、実は広告である」という手法です。記事広告とも言われます。そして日本語の「クチコミ」は英語で「Word of Mouth」(WOM)といいますが、ペイド・パブリシティ型のクチコミPRを「ペイド・ワム」(Paid WOM)と呼びます。

もう一つは、消費者が自発的に商品(事柄)に惚れ込んで自然発生的にメッセージが伝わっていく「オーガニック・ワム」(Organic WOM)です。一般的に言われる「クチコミ」は、こちらイメージする場合が多いはずです。

両者は、報酬が「金銭」か「対価」(商品や事柄)という以上に大きな差違として「正直さ」の度合いが上げられます。実は、この“正直さ”こそが、クチコミPRの最重要ポイントになります。

■クチコミの本質
米国のWOMMA(Word of Mouth Marketing Association)という団体は、「クチコミの本質は『Honesty』(正直さ)である」として「ROI」というポイントを掲げています。
(1)Relation: あなたは誰の代弁者(誰が利益提供者)であるかを正直に言います。
(2)Observation: あなたは自分が信じている(感じた)ことを正直に言います。
(3)Identity: あなたは自分の身分(身元)に関して決して嘘をつきません。
クチコミPRが“ヤラセ”であるか否かは、記事や広告といった手法や、金銭や対価といった報酬の違いではなく、賞賛や批判をどこまでも“正直”な意見として語れるかの一点につきます。記事でありながら不正直な場合もあれば、広告なのにも関わらず正直さに胸を打たれる場合もあります。クチコミPRがヤラセにならないためには、仕掛ける側の「メーカー」と「PR組織」、それを受け止める「消費者」の双方向に“正直さ”という絶対的な誠実さが求められます。

冒頭に掲げた「消費者主導型のプロモーションにまつわるコミュニケーション」という言葉の“コミュニケーション”は、「フェア(公正)な対話」と置き換えられます。


■クチコミを成功させるためのポイント
さまざまな人が、それぞれの立場で自由に意見を発信できるのがCGMです。そして、CGMを土台にしているクチコミPRを成功させるには、以下のようなポイントが大切になります。

(1)メーカー:
 ・お客さまに最大の満足をしてもらえるように努力する
 ・商品(事柄)の使い勝手やレベルを常に改善していく
 ・お客さまからの疑問、懸念、批判に常に誠意をもって応じていく
 ・お客さまと常に対話をして、商品(事柄)に反映させていく
 ・お客さまに応援団になってもらう(ロイヤリティーを確保する)ことに全力をつくす

(2)消費者:
 ・自分が伝えたいと思ったら書く
 ・自分が体験したことを書く
 ・自分の本音を書く
 ・体験した商品(事柄)の長所も短所も書く
 ・普段の生活からの視線で書く
 ・誹謗中傷はしない

(3)PR運営組織:
 ・コミュニティーをつくる
 ・専門家コミュニティーと接触する
 ・意見を交わすための便利なツールを提供する
 ・参加(行動)がしやすくなる動機付けをする
 ・参加(体験)者、読者、メーカー、運営の四者で情報を共有する
 ・クチコミPRをフォローするマス向けの広告や宣伝を行う
 ・クチコミPRの効果を検証・報告し、実施期間中にリアルタイムな修正を行う

 以上のようなポイントをふまえて、それぞれの立場でフェアな対話をすることがクチコミPRでは大切になります。



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