トップページ社会ニュース一覧避難区域で不明の男性 自殺か
ニュース詳細

避難区域で不明の男性 自殺か
5月28日 18時54分

避難区域で不明の男性 自殺か
K10054323011_1205282000_1205282001

避難区域に指定されている福島県浪江町に一時帰宅したあと、行方が分からなくなっていた62歳の男性が、経営していた店の倉庫で死亡しているのが見つかり、警察は、男性が原発事故の影響で自殺したとみて調べています。

死亡したのは、すべての住民が避難を余儀なくされている福島県浪江町に住んでいた62歳の男性で、27日、妻とともに自宅と経営していた店に一時帰宅をしたあと、行方が分からなくなっていました。
警察や消防で探したところ、28日昼すぎ、店の倉庫で男性が首をつっているのが見つかり、まもなく死亡が確認されました。
警察や知人によりますと、男性は原発事故のあと店が休業に追い込まれ、家族や周囲に対し「このままでは店も再開できず、生きていてもしかたない。浪江町に残りたい、帰りたい」と訴えていたということで、警察は、原発事故の影響で男性が自殺したとみて詳しい状況を調べています。
内閣府によりますと、福島県内では、震災や原発事故を理由に自殺した人は、去年6月からことし3月までの10か月間で13人となっています。
自殺したとみられる男性について、福島市笹谷の仮設住宅で避難生活を送る浪江町出身の59歳の男性は「2か月くらい前、近所のスーパーで亡くなった男性を見かけたのであいさつしましたが、そのときは特に変わった様子はありませんでした。震災で助かった命なのに、本当に気の毒に思います」と話していました。

浪江町長“本当に痛ましい”

今回の自殺について、福島県浪江町の馬場有町長は「亡くなった男性は、町で事業を展開し、まだ、これからという年齢だっただけに、本当に痛ましく思います。今も避難を続ける町民は明るい将来像が描けず、日々、ストレスがたまっているだけに、町としては心のケアを強化していきたい」と話していました。

[関連ニュース]
このページの先頭へ