街頭の売店に掲げられた新聞。Greece(ギリシャ)とExit(退場)を合わせ「ギリシャ離脱」を意味する造語「GREXIT」の大きな見出しがつけられていた=24日、アテネ(ブルームバーグ)【拡大】
◆ドラクマのスタンプ
政府当局者がブリュッセルで交渉している間にアテネでは、議会が土曜に新通貨発行の計画を発表するかもしれない。新通貨の名前は恐らくユーロ以前と同じドラクマになるだろう。銀行はこの間に、預金や賃金などを含め全ての資産と債務を、決定された為替レートに基づいて新通貨に換算することを指示される。ロジャー・ブートル氏らキャピタル・エコノミクスのエコノミストらは、換算レートは等価にすべきだとの論文を発表している。
政府は新しい紙幣とコインも注文しなければならない。英紙タイムズは18日、150以上の国の紙幣の印刷を請け負う英デ・ラ・ルーが既にドラクマ再導入に向けて準備していると報じた。新紙幣とコインができるまではユーロが使われるかもしれないが、市民はユーロの温存を図り振り込みやクレジット、デビットカードなどでの支払いを増やすだろう。
政府はまた、土曜早朝から軍を配備して国境を封鎖。紙幣ができるまでの間、ユーロ札にドラクマのスタンプを押すという暫定策を実施する。
また、ドイツのフレンスブルク大学の欧州研究科責任者のシャーロット・ゲータナイズ氏は、ギリシャが2800億ユーロの債務について直ちにデフォルト宣言する可能性が高いとみている。「新通貨の価値低下によって巨額の対外赤字が生じるだろう。従ってIMFに頼るしかない」と同氏は電話で述べた。
IMFはできる限り厳しい条件を課そうとし、ギリシャは歳出削減をめぐる譲歩を引き出そうとする中で、IMFとの交渉は週末いっぱい続くだろう。
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