環境経営フォーラム インタビュー

2011年5月13日

オートデスク・鬼澤盛夫 氏「“より良い世界”目指し環境ベンチャー支援のプログラムを推進」

聞き手/桜井敬三 構成・文/小林佳代 写真/加藤康

2次元・3次元のCAD(コンピューターによる設計)ソフトで製造、建築、メディア&エンターテインメント業界などにおいて高いシェアを誇るオートデスク。建築物の省エネ設計を可能にするソフトなど、環境対策に貢献する製品を提供し注目を集める。2月には、優れた環境技術を持つベンチャー企業を支援する「クリーン テック パートナー プログラム」の導入を発表。“より良い世界”の実現に向けた「サステナビリティ」戦略の一環として積極的に進める方針という。

──最初にオートデスクの概要と手掛ける事業を教えてください。

鬼澤盛夫(きざわ もりお)
1970年カリフォルニア州立大学卒業後、日本ユニバック(現日本ユニシス)に入社。81年CAD/CAMセールス/マーケティングマネージャに就任。シチズン・ヨーロッパ・リミテッド社長、メンター・グラフィックス・ジャパン代表取締役、コネクサント・システムズ・ジャパン代表取締役を経て2007年より現職。

鬼澤盛夫氏(以下敬称略) 当社は米国に本社を持つオートデスクの日本法人です。米オートデスクは2次元・3次元のCAD(コンピューターによる設計)ソフトのリーディングカンパニーです。企業の製品開発において設計、ビジュアル化、シミュレーションを可能にするCADソフトを開発・販売しています。

 特に製造業、建築業、メディア&エンターテインメント業などで高いシェアを持っています。3D(3次元)映像が話題になった映画「アバター」は当社のCG(コンピューターグラフィックス)ソフトを使って製作されたものです。

──そうしたソフトと環境とは、どのような接点がありますか。

鬼澤 我々のユーザーには都市開発、気候変動、天然資源などの課題に取り組むデザイナー、エンジニア、建築家がいます。我々は彼らに対し、サステナビリティ(持続可能性)を実現する最良のツールを提供していると自負しています。例えば、建築分野の3次元CADでは、建物の容積、エネルギー使用量やCO2排出量を算出できます。建てる場所の経度・緯度、方位、気象データを加味し、日射、影、熱などを分析できるので、設計のごく初期の段階から環境性能を検証できます。

 かつてCADソフトは設計の効率向上、製品などの市場競争力向上のために使われるものでした。最近は、それらに加えて、環境配慮のために使われるようになっているのです。

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