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東海第二原発差し止め提訴 決起集会

2012年05月26日

 日本原子力発電東海第二原発(東海村)の再稼働差し止めと廃炉を求める裁判の原告団と弁護団、支援者が、裁判の意義や論点を話し合う決起集会が27日、水戸市で開かれる。7月31日の提訴に向けて準備を進めてきた常総生協(本部・守谷市)は、すでに180人近くが名を連ねる原告団をさらに拡大しようと、集会への参加者を募っている。

 常総生協は取手市や土浦市、つくば市といった県南地域のほか、千葉県の柏市、松戸市などに計約6千人の組合員がいる。東京電力福島第一原発事故後、一帯は比較的高い放射線量が続き、取り扱う食品の放射線量調査に加え、母乳の調査や子どもへの線量計配布など、組合員を被曝(ひ・ばく)から守る独自の対策を進める。「もう二度と子どもたち、母親たちを被曝させてはならない」と、昨年6月の総代会で「脱原発」を決議。9月の理事会で提訴を決めた。

 1999年9月に東海村で起きたJCO臨界事故を受け、常総生協は事故直後の10月、国のエネルギー政策の転換を求める声明を決議した。それでも、理事長の村井和美さん(64)は「あの時にもっと大きな声をあげていたら、社会は変わったかもしれない」と悔やむ。専従で提訴の準備にあたっている副理事長の大石光伸さん(54)も「声明のことを1年もたたずに忘れてしまった経験を繰り返してはいけない」と述懐する。

 そのうえで大石さんは「原発を止めるためのあらゆる手段の一つとして、廃炉にするまで裁判を続ける」といい、「大切ないのちを原発の危険から守ろう」と原告団への参加を呼びかける。「住民主体の裁判にしたい」と、母親たちを中心に廃炉を求める思いを募り、準備書面にまとめて裁判に提出する考えだ。

 決起集会は27日午後1時半から、みと文化交流プラザ(水戸市五軒町1丁目)で。脱原発弁護団全国連絡会代表の河合弘之弁護士や、日弁連の前事務総長で数多くの原発訴訟を手がけてきた海渡雄一弁護士らが、原発を停止させる意義と裁判の論点を報告。原発のストレステスト(耐性評価)意見聴取会委員を務める東大名誉教授の井野博満さんが、東海第二原発の老朽化をテーマに講演する。

 入場無料。問い合わせは常総生協(0297・48・4911)へ。(栗田有宏)

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