東京駅復元駅舎のホテル 公開5月27日 15時59分
建設当時の姿への復元工事が行われているJR東京駅で、27日、駅舎の中に開業するホテルの部屋などが公開されました。
JR東京駅の赤レンガの駅舎は、およそ100年前の大正3年に建てられた際、ドーム型の屋根がありましたが、戦争の空襲で焼け落ち、その後、設計を変えて修復されました。
現在、この駅舎を建設当時の姿に復元する工事が行われていて、27日は駅舎の中に開業するホテルなどが報道関係者に公開されました。
この「東京ステーションホテル」は、駅舎ができた翌年に開業し、外国の要人や小説家など文化人にも利用されたホテルで、駅舎の工事に合わせて改修が進められています。
およそ150ある部屋は、照明にシャンデリアを使うなど西洋の伝統的なスタイルが取り入れられており、中でもドームに隣接した部屋からはドームの天井に施された彫刻が見えるようになっています。
また、あわせて公開された駅舎の中のギャラリーには、空襲に耐えて残った建設当時の赤レンガや鉄骨が残されています。
JR東日本の進藤隆之次長は「建設当時は、欧米に負けない駅を作るという思いがあった。私たちもこうした心意気を持ちながら、次の100年も親しまれる駅にしたい」と話していました。
東京駅の新しい駅舎は、ことし10月に完成する予定で、27日公開されたホテルも同時にオープンするということです。
東京駅の丸の内駅舎とは
JR東京駅の丸の内駅舎は、明治建築界の重鎮、辰野金吾の代表作で、大正3年に建てられました。
当時、3階建てで、北側と南側にドーム型の屋根がありましたが、終戦間際の空襲で焼け落ち、その後、2階までの残った部分に別の形の屋根を付けて修復されました。
平成15年には、国の重要文化財に指定され、JR東日本は、歴史的建造物を本来の姿で未来に残そうと、5年前から当時の姿に復元する工事を続けてきました。
先月には工事用の囲いがほとんど外され、シンボルであるドーム型の屋根が見られるようになっています。
ドームは、直径がおよそ20メートルあって、内部の壁には、えとやかぶとの彫刻が復元されているほか、花を形どった彫刻は空襲で焼け残ったものがそのまま使われています。
また、駅舎の屋根に敷き詰められたスレートと呼ばれる耐久性の高い黒い天然石は、建設当時と同じ宮城県石巻市の雄勝地区などから取り寄せられました。
このように、外見は大正時代の姿が忠実に再現されていますが、最新の技術も取り入れられています。
首都直下地震の揺れにも耐えられるよう、揺れを吸収する特殊なゴムを使った免震装置が取り付けられています。
この東京駅の丸の内駅舎は、現在、改札口の工事が行われていて、ことし10月に完成する予定です。
27日公開されたホテルやギャラリーなども、これと同時に営業を始め、夜はライトアップされることになっています。
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