「届いていない削除依頼メールで家宅捜査されました」掲示板サーバ管理会社の人からの寄稿
2012.05.27 23:30:06 記者 : 深水英一郎(ふかみん) カテゴリー : 政治・経済・社会 タグ : IHC 消えた削除依頼メール問題
IHC「消えた削除依頼メール」がもたらした「取り返しの付かない事態」
財団法人インターネット協会という団体が警察庁の依頼で運営するインターネット・ホットラインセンター(IHC)。ここから送られる独自フォーマットの削除依頼メールが相手に届いていないという問題についてガジェット通信では既に何回かとりあげました。単にメールが届いてないというだけであれば送り直せば済む話ですが、この件についてはそう簡単にはいきません。警察はこの「消えた削除依頼メール」を送った相手と、とりあえず関連ありそうなところに対して家宅捜索を実施。さらに「大量の削除依頼を無視していた」としてメディアを通し名指しで批判をおこなってしまっています。
まさに「取り返しのつかない事態」を絵に描いたような状態ですが、一体誰がどう責任をとるのでしょう。
届かないメールで家宅捜索
そんな中、「届かない削除依頼メールで家宅捜査されました」という寄稿が編集部に届きました。話をきくとこの会社はサーバ管理会社で、そのサーバで運営されていた掲示板の書き込みに対し削除依頼がおこなわれたようです。
以下、届かなかったメールで家宅捜索された会社の方からの寄稿です。社名やサービス名などすべて実名でうかがっていますが、記事では匿名とさせていただきます。
寄稿
こんにちは。
弊社も、昨年の11月半ばに家宅捜索されました。某レンタル掲示板=掲示板のサーバ事業の運営をやっていたのですが、削除依頼を消さなかった(らしい)ということで共犯容疑で、わいせつ図画公然陳列の疑いで、家宅捜索を受けました。
投稿者・掲示板の管理人だけではなく、サーバ管理者である弊社までです。
(弊社はそのままサーバ停止しましたが……)弊社は、ある県警に捜索を受けたのですが、やはり、削除依頼に対して、削除されていないという疑いです。
しかしながら、弊社でも、直接、警察からの削除依頼は1件だけで、それ以外の削除依頼はどうもIHCから送られていたようですが、IHCからのメールなどは一切受け取っていないのです……。
それに、掲示板サーバの運営期間は2010年の12月~2011年の8月まででなんと9か月しか運営してません。
弊社の場合、トップページに、システムの運営会社として電話番号・会社名・住所まで書いていたので、削除依頼をどのメールアドレスに送っていたのかはわかりませんが、普通は、4~5通もメールを送って、返信がなければ会社のHPの問い合わせ窓口や、電話で問い合わせるというのが常識的な態度だと思うのですが、なんとも不可解です。
2ちゃんねるの件もそうですが、ひっかけるために、IHCはメールを送り続けていたということはありえませんかね?
そうじゃなきゃ、返信もないのに、同じメールに送り続けるというのはあまりにも役人的というか、非常識かなとも思ってます。
最近は、言論の自由に関わる削除要請も多かったので、こういった匿名掲示板を取り締まっているのは、別の政治的意図があるように思えます。
僕はすでに、海外のほうに会社を持って行きましたが、これら一連の動きは大げさでもなんでもなく、匿名メディアという一つの言論空間の抹殺に近いと思ってます。
(寄稿ここまで)
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