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京町家、美術館に 米財団支援 中京の昭和初期邸宅

修復を終え、美術館として活用される町家を眺めるエンジー副理事長(右端)たち(京都市中京区蛸薬師通高倉西入ル)
修復を終え、美術館として活用される町家を眺めるエンジー副理事長(右端)たち(京都市中京区蛸薬師通高倉西入ル)

 京都市景観・まちづくりセンター(下京区)などが米国を拠点とする財団の支援を受け、中京区で進めていた京町家の修復が完了し、25日から芸術家木田安彦さん(68)の作品を飾る町家美術館として公開される。昭和初期の築造で茶室も備えた大規模な造りの町家が、芸術作品と空間の美を楽しむ場に生まれ変わった。

 呉服店の番頭が1932年に建てた木造2階建ての町家で、12室ある。所有者夫妻が高齢になって住みにくくなり、一昨年から空き家になっていた。

 まちづくりセンターが、世界の文化遺産保全を支援する民間組織「ワールド・モニュメント財団」に修復費の助成を依頼した。京町家では中京区の「釜座町町家(ちょういえ)」に続く2例目で、修復費など計約12万7千ドル(1040万円)の支援を受けた。

 NPO法人・京町家再生研究会(中京区)などが老朽箇所を調査し、2月から、床を支える構造木材の取り換えや畳と襖(ふすま)の新調などを進めた。今後は木田さんの版画や彫刻作品を床の間などの生活空間に飾る美術館「風雷房(ふうらいぼう)」として活用する。

 17日に来日した財団のヘンリー・エンジー副理事長は「都市部で伝統的な建造物をどう守るかは世界共通の課題。高度な技が生きた京町家の保全はモデルケースとして広く発信できる」と話した。

 美術館の第1期展は25日~7月22日。入館料は大人500円、学生と子どもは無料。月曜休み。

【 2012年05月17日 22時20分 】

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