バブル末期に一世を風靡した東京・芝浦のディスコ、「ジュリアナ東京」がオフィスに生まれ変わるという。ジュリアナといえば「お立ち台」「ボディコン」などで社会現象ともなった伝説的なディスコだ。ウオーターフロントブームを生んだ芝浦はいま、どうなっているのだろう。確かめるべく、現地を歩いてみた。
■お立ち台でアップルの広告戦略を立案?
JR田町駅から芝浦方面に歩いていくと、ビルの上にボウリングのピンが見えてきた。昔の地図を見ると、ジュリアナは東京ポートボウルというボウリング場の1階にあったらしい。ピンがあるということは、今も営業中ということか。ポートボウルに聞いてみた。
「7階に34レーンあります。東日本大震災のあとしばらく休業していたのですが、経営母体が変わり、2011年7月から営業を再開しました」
1973年(昭和48年)竣工のビルは当時から変わっていない。ビルの横には、かつてのジュリアナの入り口がそのまま残っていた。倉庫らしき雰囲気もそのままだ。目をこらしてよく見ると、壁には「JULIANA’S」という文字の跡がうっすらと残っている。当時はこの入り口から長い行列ができた。
ここにオフィスを構えたのは広告会社のTBWA博報堂。もともと同じビルの5階と6階に入っていたが、業績拡大に伴い手狭になっていた。ジュリアナが閉店してから長らく入っていた「A.S.R.東京」というサーフショップが2011年1月で閉店したので、その1階も新たに借り受けた、というわけだ。
それにしても、あの巨大なディスコフロアをどうやってオフィスとして使うのか。お立ち台はどうなったのだろう。担当者が答えてくれた。
「お立ち台があった場所には米アップルの広告戦略を担当するチームが入りました。お立ち台はそのまま残してあります。ちょっと腰掛けたりもたれかかったりして、アイデアを練るのにいいアクセントになっています」
お立ち台とアップル。すぐには結びつかないが、エネルギーを生み出すという意味で共通項があるのだろうか。ちなみにVIPルームは改装して会議室になった。入り口やラウンジの天井にはミラーボールが取り付けてある。これはジュリアナ時代のものではなく、新たに設置したらしい。
ジュリアナ、ゴールド、アップル、博報堂
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