パキスタン諜報機関がタリバン支援=アフガン政府顧問
[ロンドン 17日 ロイター] アフガニスタンのスパンタ外相の上級政策顧問であるダブード・モラディアン氏は、ロイターのインタビューに答え、同国で自爆テロなどの攻撃を繰り返す武装勢力に対し、隣国パキスタンの諜報機関である軍統合情報部(ISI)が支援を行っているとの見方を示した。
英国際戦略研究所のセミナーでロンドンを訪れたモラディアン氏は、ISIによる武装勢力の支援について、核保有国であるパキスタンが不安定化するという懸念を西側諸国に与え、財政支援を得ようとするのが狙いだと語った。
ISIの関与を示す確たる証拠はあるのかとの問いに、モラディアン氏は昨年7月にカブールで2人のインド人外交官を含む数十人が犠牲になったインド大使館での自爆攻撃を例示。パキスタンは当時、この事件を強く非難し、自国の関与を否定したが、モラディアン氏は、ISIの諜報員がかけた電話記録を証拠として挙げ、その情報を各国の情報機関にも提供したという。
その一方で、モラディアン氏は「米英両国の情報機関は(ISIが関与したという情報に)同意したが、彼らは政策決定の立場にない。情報を上げた上官には、決定を下す気概がない。ISIのことになると、国際社会に勇気がなくなる」と嘆いた。
パキスタンは、1980年代のアフガン侵攻でイスラム兵士を利用しソ連に対抗。その後はタリバン政権をサポートした。またインドは、パキスタンがカシミール地方でイスラム聖戦士グループを養成していると長年非難を続けている。
<戦略的な目的>
これに対してパキスタン政府は、いかなる場所でも武装勢力の攻撃を支援することはないと否定。実際、同国政府は自国内で活動するタリバンによる攻撃に直面している。この1週間で100人以上が死亡しており、軍は17日からアフガン国境に近い南ワジリスタ地区で武装勢力への攻撃を開始した。
モラディアン氏は、ISIとアフガンのタリバンとの関係はかなり緊密で、「ISIはタリバンのパキスタン国内での活動について、完全に承知した上で関与している」と話す。 続く...
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