男性作業員4人が取り残されているとみられる新潟県南魚沼市のトンネル爆発事故で、南魚沼市消防本部は26日、救助隊員がこれまでで最も奥の1050メートルまで進入したと明らかにした。4人がいたとされる1200メートルまで150メートルに迫ったが、可燃性ガス濃度が爆発の危険性がある30%を超え、退却を余儀なくされた。消防本部は換気のための送風機を2台から3台にすることを検討している。
消防本部によると、応援に入った新潟市消防本部のハイパーレスキュー隊員ら約10人は酸素マスクを付けて1050メートル地点に到達。粉塵(ふんじん)などが舞っており、ヘッドライトの明かりでは視界は約10メートルだった。一酸化炭素は測定器の限界値を超え、計測ができなかったという。
現地の隊員からは「ひんやりとしていた。がれきは地面に散乱しているが、思っていたほどではない」と報告があったという。周囲の捜索で手がかりは見つからなかった。
入り口付近に2台設置した送風機のビニール管は約600メートル地点まで延伸した。約430メートル地点までは、酸素ボンベを必要としない「クリアゾーン」となった。事故当日は1メートルだった視界も回復し、トンネル奥での捜索活動に費やせる時間は大幅に増えたが、救出活動は高濃度の可燃性ガスに阻まれている。
同日、現地を訪れた4人の家族ら14人からは消防本部に対して、「あらゆる手だてを尽くしてほしい」との声が上がったという。