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第一原発4号機 内部を初めて公開
5月26日 17時19分

第一原発4号機 内部を初めて公開
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東京電力福島第一原子力発電所で水素爆発を起こした4号機の原子炉建屋の内部が、初めて報道関係者に公開されました。

福島第一原発の事故現場の公開は、細野原発事故担当大臣の視察の同行取材の形で行われ、4号機の原子炉建屋の内部が初めて報道関係者に公開されました。
建屋内部には、被ばくや安全管理の理由から記者とカメラマンの代表4人が入り、およそ30分にわたって内部を取材しました。
4号機は去年3月11日の地震の際、定期検査中で原子炉の燃料はすべて燃料プールに移されていたため、原子炉でメルトダウンは起きませんでしたが、地震4日後の15日、3号機から配管を通じて逆流した水素によって原子炉建屋が爆発し、今も大きく損傷したままです。
建屋の中に入ると、内部は照明も僅かで暗がりが広がり、壊れた機器が1か所に集められて放置されたままになっていました。
暗闇の中、事故後に取り付けられた狭い階段を上って2階に上がり、壊れた建屋の耐震性を高めるため、プールの底に鋼鉄製の支柱を設置して、周りをコンクリートで固めた場所を視察しました。
2階の通路を歩く途中、1時間当たり500マイクロシーベルトという一般の人が1年間で浴びて差し支えないとされる1ミリシーベルトに2時間で達する高い放射線量が計測され、同行した東京電力の担当者が「急いで通りすぎてください」と指示する一幕もありました。
このあと、燃料プールが見える5階のフロアに上がると、突然青空が広がり、屋根や壁が大きく壊れてぐにゃりと曲がった鉄筋がむきだしになっている中に、黄色い格納容器のふたが置かれてあるのが間近に確認できました。
プールには1535体の燃料集合体があり、東京電力は来年中に取り出しを開始するため、今後プールを覆うカバーを設置する計画です。
プール周辺では天井や壁などの撤去作業が進められ、プール付近のがれきはほぼ取り除かれていましたが、建屋の北側には崩れた壁や天井がそのままになっていました。
このほか、26日は東京や福島、それに海外メディアの記者とカメラマンおよそ40人も、バスで移動しながら1号機から4号機の海側の様子や放射性物質を取り除く装置などを見て回り、4号機から70メートル手前では、バスから降りて水素爆発で壊れた原子炉建屋を確認しました。

細野大臣“燃料の取り出しへ向け着実に作業”

視察を終えた細野原発事故担当大臣は「4号機の建屋の水平性やプールの底部の補強状況について確認できた。4号機の燃料の取り出しが最初の大きな目標だが、それに向けて着実に作業が進んでいるという印象を受けた」と述べました。
また収束作業の拠点の福島第一安定化センターの所長を務める東京電力の小森明生常務は「4号機の建屋の健全性については今後も3か月ごとに評価し、説明したい。建屋の健全性を確認しながら燃料取り出しの作業を進めていきたい」と述べました。

[関連ニュース]

4号機 燃料プールの健全性は (5月26日 18時47分)

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