2011年1月1日土曜日

僕は告白することにする(その15)

パリからベルギーに行った時の事を書いた文章。
その文章を見て嘘を見破ろうとした人がいた。
指揮者の小澤征爾さんである。

小澤征爾さんが最初に来た時に僕に言った。

「君・・僕の甥の文章を真似してない?」

・・・。

「甥とは?」

・・・。

「小沢健二」

・・・。

「えっ小沢健二って甥なの?」

・・・。

小澤征爾さんが自分を指差して言った。

「小澤」

確かに同じ苗字だわ。
ぜんぜん気がつかなかった。

「小沢健二を知っているでしょ?」

・・・。

「名前は聞いたことがある」

・・・。

「嘘つけ真似しただろ?」

僕は小沢健二の歌を知らなかった。
この曲がそうだと示してくれれば分かっただろう。

なんで僕が知らないかは後で判明した。
小沢健二がTVで活躍していた頃。
僕は少年院に入っていたのだ。

後で小澤征爾さんが謝りに来た時に教えて貰った。

・・・*

僕はベルギーで日本人の女の子と出会っている。
ベルギーの地下鉄のホームで偶然出会った事を書いた。
彼女は楽器の入ったケースを持ちホームに立っていた。
僕の方をじ~と見つめていたのを覚えている。
僕がそばを通る時に声をかけて来た。

「日本人の方ですか?」

・・・。

「はい」

・・・。

「やっぱり」

ひとりで旅行している日本人はめずらしい。
ベルギーのローカルな地下鉄で出会う確立は低いだろう。
日本人かなとじっと見つめ考えていたようだ。

彼女はオーケストラの人らしい。
日本を離れ少しホームシックのようだ。
日本語で話せるのが嬉しいのだろう。
言葉が溢れ出てくるのが分かる。

彼女は急に練習に行く事を思い出し去っていった。
日本の才能ある女性が異国の地で頑張っている。
その姿を見て誇りに思えた。

そんな文章を読んで・・
東京大学教授達と小澤征爾さんの調査が始まった。
僕には「探偵団ゴッコ」に見えた。

妙な熱気を感じた。

君はヨーロッパなど行っていない。

「嘘を見破ってやる」

そんな気持ちがミエミエである。
完全に僕は悪者にされていた。

調べるとベルギーのオーケストラーには在籍者はいない。

「いないじゃないか」

嬉しそうな顔して責め立てる。
どうだと言う表情が隠しきれないでいた。

「僕はベルギーとは言っていない」

「周辺国から演奏に来ているんじゃないの・・」

・・・。

「どこの国だ」

ムキになっている。
綺麗に言えば情熱的。
感じた通りに言えば「子供か?」

・・・。

「知らない」

「たぶん隣のフランスあたりじゃないの」

調べるとそれらしい人がいたらしい。

見つけて残念そうな顔をしたのを僕は覚えている。

不思議なのだが・・
一流の人は熱中しやすい人が多いようである。
そしてとてもしつこい。

ルールの中で勝利を見つけようとする。
自分に自信があるから不正をしないのだろう。

二流の人は余り調べることはしない。
言葉だけで負かそうとしてくる。
事実より勝ち負けに拘る。

三流の者は力で相手を攻撃する。
事実などどうでも良いと考えるのだろう。
自分より下に見えれば良いようだ。

僕は沢山の有名人を見る事になり・・
彼らをいつの間にか分類していたようだ。

分類結果は見たまんまである。
感じた通りの分類である。


小澤征爾さん。
善悪に分類したいなら・・
日本のソドムとゴモラを分類せよ!
悪い奴らの住処である放送局を分類せよ!
ソドムとゴモラの住人である芸能人を分類せよ!
吉本興業の悪事を国民にさらけ出せ!

貴方の情熱をそこに向けて欲しいものだ。

( - ゛-) つづく。