風俗店従業員に虚偽診断書、医師ら摘発

 風俗店の従業員に虚偽の健康診断書10万6000通を発行し、15億ウォン(約1億円)の不当利得を上げたとして、ソウル地方警察庁広域捜査隊は24日までに、医師や社会福祉士を一斉に摘発した。

 調べによると、社会福祉士のK容疑者(55・女性)ら17人は、4-5人のグループで風俗店従業員の採血を行い、虚偽の健康診断書を作成した疑い。また、K容疑者らから毎月200万ウォン(約13万5000円)を受け取り、病院名が記載された健康診断書の発行を許した疑いで、N容疑者(81)ら医師3人が立件された。

 風俗店の従業員は、病院や保健所で性病検査を3カ月に1回、HIV検査を半年に1回受けなければならないが、K容疑者は風俗店従業員が職業の特性上、病院に行くのを嫌がる点を利用した。

 K容疑者はインターネットの求人サイトで看護師のJ容疑者(46)ら5人を雇用し、2009年10月から今年4月まで「健康診断発行チーム」を組織。ソウル市や京畿道の風俗店を回り、健康診断書を発行し、1通当たり2万ウォン(約1350円)を受け取った。しかし、診断書の発行過程は問題だらけだった。K容疑者らは医師の同行なしに採血を行い、血液分析を行う病院と共謀し、検査結果とは関係なく「陰性」と記載された診断書を発行していた。また、採取血液を病院側に渡さなかったり、採血すら行わずに診断書を発行していたケースもあった。

 K容疑者は5万6300通の健康診断書を発行し、8億5000万ウォン(約5730万円)の不当利得を上げた。病院長のN容疑者も8000万ウォン(約540万円)の不当利得を得た。

 准看護師のA容疑者(46)も同じ手口で、2010年1月から4月まで臨床検査技師5人を雇い、約3万4400通の健康診断書を発行し、4億5000万ウォン(約3040万円)の不当利得を上げた。また、臨床検査技師のK容疑者は、09年10月から今年4月までの間に看護師4人を雇い、約1万5300通の健康診断書を発行し、2億ウォン(約1350万円)の不当利得を得ていた。

ナム・ジョンミ記者
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