自供20件に被害届8件 園部地区連続強姦

 おととし4月ごろから和歌山市園部で連続的に発生していた強姦(ごうかん)事件で、逮捕された同市平井の医療福祉系専門学生、光定淳被告(36)=県迷惑防止条例違反で起訴=が自供する約20件の犯行に対し、被害届が8件にとどまっていることが25日までに和歌山東署への取材で分かった。逮捕が遅れた原因には、性犯罪が表面化しにくい傾向もあるようだ。

 同署によると、光定被告は小学校高学年から高校生までの児童生徒を狙い犯行を繰り返していた。届け出の内容は、光定被告の供述と一致しており、同署が強制わいせつ致傷や強姦致傷などの疑いもあるとみて調べている。家宅捜索での押収品などから、光定被告が少女を好む傾向が強いことが分かっている。

 園部地区周辺は、小中高校が密集しており、近くに駅もあるため、通学の生徒が多く見られる。光定被告の自宅から犯行現場の園部地区までは2㌔ほどしか離れていなかった。

 地区周辺の中学校には、ことしに入り数件の不審者情報が寄せられていたという。学校側は生徒に「下校時一人で行動しないように」などと指導していたというが、日常的に存在する不審者情報にさほど警戒感は強めていなかったという。

 県警は卑劣な性犯罪に遭わないためにホームページで「暗い夜道の一人歩きは避ける」「グループで下校する」などと注意を呼び掛けている。