高松港と宇野港(岡山県玉野市)を結ぶ宇高航路を運航する国道フェリー(高松市、山下周市社長)は25日、6月3日から深夜便を廃止すると発表した。高松発は午後8時が最終になり、1日の便数は22便から13便になる。収益の柱であるトラックの利用が高速道路との競合で低迷、燃料価格の高騰が追い打ちをかけた。愛媛県と広島県を結ぶ定期旅客航路も今月で廃止となる予定で、瀬戸内海の公共交通機関の苦境が鮮明となっている。
国道フェリーは24日に四国運輸局にダイヤ変更を届け出た。
現在のダイヤはほぼ1時間20分おきに24時間、計22便を運航している。6月3日からは高松発で午前6時便から午後8時発までの13便とする。使用する船数は3隻のまま。国道フェリーは最盛期は1日68便だった。
1988年の瀬戸大橋の開通以降、高速道路との競合でフェリー利用は減少が続いている。特に、高速道路の「土日祝日上限1000円割引」が始まると減少が加速し、同社は2010年2月にいったん航路廃止届を提出した。
その後、国や自治体、などでつくる宇高航路の活性化協議会が立ち上がって再建策を模索してきたが、今年3月末で事業は終了していた。
同社によると、国内の内航船の船舶燃料の基準価格は、エンジン燃料のC重油が09年度は1キロリットルあたり約4万6000円だったが、11年度は約6万3000円と過去最高に高騰。12年度は4~6月の予想値で7万2000円とさらに上昇しており、利用が少ない深夜便は恒常的に採算割れの状態が続くと判断した。
深夜便廃止で要員の配置転換や、自治体に支払う係船料を下げて経費削減につなげる。ただし、11年3月期で2億5000万円程度だった赤字は解消できない見込み。
海上交通を廃止する動きは宇高航路以外でも起きている。
瀬戸内クルージング(岡山県笠岡市、藤井一彦社長)は愛媛県上島町の弓削島と広島県尾道市の因島、尾道港を結ぶ定期旅客船航路を31日に廃止する。同社は同航路で1日6往復を運航していたが、利用者の減少と燃料費の高騰に加え、公的な補助も見込めないことから廃止を決めた。
同航路は01年4月に開始したが、上島町の生名橋が昨年2月に開通し、同町の弓削島と生名島がつながったことで、同年5月にいったん尾道―生名立石港に短縮した。その後、地元の要望から、同年9月に弓削島までの航路が復活していた。
山下周市、国道フェリー、藤井一彦、高速道路
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