県警によると、県内で今年1~4月、金融商品をめぐる詐欺被害は14件。被害総額は約1億4500万円と、既に昨年1年間の1億3500万円(16件)を超えた。被害者はいずれも60~90代の高齢者で、約8割の11人が女性だ。
24日に摘発されたグループは、架空の社債購入の勧誘冊子を被害者に送り付け、その後、別の社を名乗って電話で「その社債を持っていれば、うちが5割増しで買う」などと巧妙に購入意欲をあおっていたという。
このほかの被害では、老人ホームの利用権や電力証書の購入を持ち掛けた例や、「株投資で失敗した金を取り戻せる。弁護士費用を先に振り込んでほしい」と弱みにつけ込んだ手口もあった。
県警捜査2課は「振り込め詐欺への警戒が浸透し、犯罪グループが詐欺の手法を変えている」とみる。実際、2006年に350件あった県内の振り込め詐欺の認知件数は昨年は23件と激減した。
県警は一方で、「投資のリスクを理解せずに被害に遭う人も少なくない」と警戒を強める。金融商品購入時は信頼できる家族らに相談し、取引業者を必ず確認するよう指導している。(高橋俊啓)
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