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川に化学物質 9年前に同じ問題が
5月25日 19時30分

川に化学物質 9年前に同じ問題が

利根川水系の浄水場の水道水から国の基準を超えるホルムアルデヒドが検出された問題で、埼玉県は原因とみられる化学物質の処理を業者に委託した化学メーカーの名前を公表しましたが、このメーカーは、9年前にも利根川に同じ化学物質を流し、水道水からホルムアルデヒドが検出される問題が起きていました。

同じメーカーが同じ問題を

利根川の水を取水している埼玉県の行田浄水場では、9年前の平成15年、処理済みの水道水から有害物質のホルムアルデヒドが検出されました。
その濃度は今回、利根川の浄水場の水道水から検出されたものとほぼ同じ1リットル当たり0.147ミリグラム。
国の基準の2倍近い値でした。
当時の原因物質はヘキサメチレンテトラミンで、川に流していたのも今回、埼玉県が名前を公表した本庄市の「DOWAハイテック」でした。
しかし埼玉県は、法律で規制されていない物質のため、当時、会社には処分を行わず国にも規制の強化を求めなかったといいます。
これについて埼玉県は、「原因が特定でき、企業の自主的な改善によって問題が解決したので、特に法規制は求めなかったと聞いている」と話しています。

後手に回った対応

今月18日以降、利根川の浄水場の水道水から次々にホルムアルデヒドが検出され、断水などの影響が広がったあとも流域の自治体は追跡調査に手間取りました。
9年前の教訓から、埼玉県はヘキサメチレンテトラミンが原因ではないかと疑いました。
しかし、追跡調査に必要な検査態勢が整っていなかったということで、埼玉県環境科学国際センターの細野繁雄副室長は、「ヘキサメチレンテトラミンは規制されている項目ではないということもあり、測定したことは全くない」としています。
繰り返された事態を受けて、埼玉県など流域の自治体は罰則の導入や調査の権限強化に向け国に規制の見直しを求める方針です。
一方、今回の問題についてDOWAハイテックは、「9年前の問題を受けて、適切な対応に努めてきただけに、今回の問題には当惑している」と話しています。

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