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2012年5月26日11時49分

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「波平さん」詣で、後絶たず 「髪の毛」受難で注目

写真:波平像の周りには写真を撮ったり、頭を触ったりする人たちが次々訪れる=世田谷区の桜新町商店街拡大波平像の周りには写真を撮ったり、頭を触ったりする人たちが次々訪れる=世田谷区の桜新町商店街

 東京都世田谷区の桜新町商店街で、「貴重な髪の毛」を2度にわたり引き抜かれた「波平さん」。漫画「サザエさん」に登場するこのキャラクターの銅像が、思わぬ注目を集めている。商店街は「付け直しても、またとられたら困る」と頭を悩ませている。

 「ここだ、ここだ」「毛が本当にないよ」。問題発覚後、記念撮影をしたり、のぞき込んで頭を触ったりする人が後を絶たない。近くに住む小学3年生の女児(8)は頭頂部を携帯電話のカメラで撮影。「像はあまり意識してなかったけど、かわいそうだからやめてほしい」と話した。

 道を挟んで向かい側の写真店に勤める男性(57)は「ひっきりなしに誰かが波平の周りにいる。フィーバーしているね」と驚く。

 波平像があるのは東急田園都市線桜新町駅近く。原作者の故長谷川町子さんが長年暮らしたことにちなんで通称「サザエさん通り」と呼ばれる。街ではサザエさんのアニメの曲が流れ、ほのぼのとした雰囲気を醸し出している。

 商店街振興組合の坂口賢一理事長は「犯人捜しをすると殺伐としてしまって、サザエさんのイメージを損なう。被害届は出したくない」と困り顔だ。

 「髪の毛」は水色に着色した鉄製のワイヤ。接着剤などで頭のくぼみに固定され、かなりの力でないと抜けないという。

 スペアも常に用意している。しかし、「付け直しても、またとられるかもしれない。波平さんには髪無しで少し我慢してもらわないと……」。次の「植毛」は「騒ぎが収まってからこっそりやります」。

 自ら植毛する有志も現れた。坂口さんによると、23日午後、黒のこよりのようなものをセロハンテープで頭にはった男性がいたという。しかし、数時間後にはなくなっていたという。

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