ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)の利用者の急増に伴い、そうしたユーザーの情報を活用しようというモバイルアプリメーカーや私立探偵が出てきている。そうした向きによれば、オンラインでのおしゃべりや写真に含まれる情報を使えば、そのユーザーを追跡して住所を特定することも可能という。
3月には、米Appleがストーカー的なモバイルアプリのダウンロード提供を中止している。SNSで公開されている情報だけを頼りに、近場で女性が大勢集まっている場所を男性に教えてくれるというアプリだ。
だがオンラインの調査員らによると、同じようなことやそれ以上のことを行えるアプリはほかにもたくさんあり、入手も簡単だという。
携帯電話を使ってTwitterでつぶやいたり、Flickrのような写真共有サイトに写真をアップロードしたりすると、そのつぶやきや写真にはいわゆるジオロケーションデータ(位置情報)が含まれている場合がある。そうしたデータを使えば、自宅や学校など、地元の行きつけの場所をいろいろと突き止められるというわけだ。
「どの家からツイートが発信されているかを特定するのはときには非常に簡単だ」と英国の元警官で現在はオンライン調査員のニール・スミス氏は言う。
多くのアプリが無料で入手できるオープンソースソフトウェアをベースとしていることもあり、目下、位置情報を使った調査は急成長中の分野だ。
スミス氏お気に入りのアプリの1つは、ギリシアのエンジニア、イオアニス・カカバス氏(27)が開発したものだ。カカバス氏がこのアプリに付けた「Creepy(気味悪く這い回る、の意)」という名称は、まさに言い得て妙だ。
この無償アプリはツイートや写真に含まれる位置情報を照合し、そのユーザーの職場を割り出すというもの。スミス氏は企業顧客に代わり、保険金詐欺の加担者を見つけ出す目的でこのアプリを使っているという。
カナダのバンクーバーや米国のアリゾナ州やコロラド州の警官も捜査にCreepyアプリを使っているという。
カカバス氏によると、こうした位置情報はTwitterやfoursquare、Twitpic、Flickr、YFrog、Gowalla、LockerzといったSNS各社から入手できるという。
こうしたSNSサイトの中には、ユーザーが位置情報の送信を無効にできるようにしているところもある。だがfoursquareやGowallaのように位置情報に依存しているサービスもある。Twitterユーザーは位置情報を有効にするかどうかを登録時に選択でき、Facebookでは写真から位置情報を削除できるようになっている。
スミス氏は最近、調査に位置情報を使いたいという複数のジャーナリストから仕事の依頼を受けているという。同氏は自分の仕事について、「公正で合法な目的のためのもの」と語っている。
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