■廃虚化したテーマパークも
バブル期の遊び場といえばテーマパーク。全国各地で莫大な金がつぎ込まれ、外国風の施設が続々生まれた。バブル期に計画・開業したテーマパークを調べたところ、今も残っているのは半数以下。営業中の施設でもシーガイアやハウステンボス、スペースワールドなどいったん経営破綻したところが多い。2000年(平成12年)に一時閉園して「ニューレオマワールド」として再出発した「レオマワールド」のような例もある。
閉鎖したテーマパークはその後どうなったのか。さらに調べてみると、多くが引き取り手がなく廃虚化していた。栗原亨著「ニッポンの廃虚」(インディヴィジョン刊)など廃虚をテーマにした写真集に、そんな朽ち果てたテーマパークの姿が生々しく載っている。再利用されているのはごく一部で、「柏崎トルコ文化村」は結婚式場に、「倉敷チボリ公園」はアウトレットとショッピングセンターになった。
東京都心にも「テーマパーク」はあった。例えば1991年(平成3年)、渋谷・円山町にオープンした「ドクター・ジーカンズ」。シューティングゲームなどがあり、開業当時は「大人のテーマパーク」をうたっていた。今はどうなっているのか? 住所を頼りに探してみると、あった。場所は同じだが、今は宴会場となっていた。結婚式の2次会などに使われているらしい。
■有明の空き地、東京五輪の候補地に
テーマパークではないが、バブル期の江東区有明に「MZA(エムザ)有明」という多目的ホールがあった。空間プロデューサー、山本コテツ氏がデザインした「大人の遊園地」だという。1988年(昭和63年)にオープンしたものの、バブル崩壊で親会社が経営破綻し1991年には閉鎖となった。跡地はどうなったのだろう。
場所はゆりかもめ「有明テニスの森」駅の近く。1990年(平成2年)にはポール・マッカートニーが会見するなど当時の最先端のホールといわれた場所は、格闘技などに使う「ディファ有明」というイベント会場になっていた。事務局に聞いたところ、改装はしたものの、建物はエムザ時代と変わらないという。いまも格闘技ファンでにぎわう。
このあたりは東京ビックサイトからもほど近いが、空き地が目立ち、ちょっと物寂しい。これらの空き地、実は東京都が招致を目指す東京夏季オリンピックの候補地ともなっている。2016年大会の招致の際には選手村予定地だった。国際オリンピック委員会(IOC)から選手村としては狭いと指摘されたことから、2020年大会の誘致ではバレーボールや体操などの関連施設が検討されている。「有明テニスの森」駅も2006年(平成18年)にできたばかりだ。
屋内人工スキー場に巨大迷路、そしてテーマパーク。バブル崩壊後の20年、都市部では多くが大型商業施設に生まれ変わり、地方では廃虚化が進んだ。東京・臨海副都心では、今なお取り残された場所がある。バブルの後始末はまだ、終わっていない。(河尻定)
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テーマパーク、イケア、ザウス、スノーヴァ、イオン、ららぽーと
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