日本経済新聞

5月26日(土曜日)

日本経済新聞 関連サイト

ようこそ ゲスト様

コンテンツ一覧

巨大迷路がイケアや大病院に あのテーマパークは今

(4/4ページ)
2012/5/25 7:00
小サイズに変更
中サイズに変更
大サイズに変更
印刷

■廃虚化したテーマパークも

2004年閉園の「新潟ロシア村」(新潟県阿賀野市)は、バブルに踊った典型的なテーマパーク(2002年4月)
画像の拡大

2004年閉園の「新潟ロシア村」(新潟県阿賀野市)は、バブルに踊った典型的なテーマパーク(2002年4月)

 バブル期の遊び場といえばテーマパーク。全国各地で莫大な金がつぎ込まれ、外国風の施設が続々生まれた。バブル期に計画・開業したテーマパークを調べたところ、今も残っているのは半数以下。営業中の施設でもシーガイアやハウステンボス、スペースワールドなどいったん経営破綻したところが多い。2000年(平成12年)に一時閉園して「ニューレオマワールド」として再出発した「レオマワールド」のような例もある。

 閉鎖したテーマパークはその後どうなったのか。さらに調べてみると、多くが引き取り手がなく廃虚化していた。栗原亨著「ニッポンの廃虚」(インディヴィジョン刊)など廃虚をテーマにした写真集に、そんな朽ち果てたテーマパークの姿が生々しく載っている。再利用されているのはごく一部で、「柏崎トルコ文化村」は結婚式場に、「倉敷チボリ公園」はアウトレットとショッピングセンターになった。

画像の拡大

 東京都心にも「テーマパーク」はあった。例えば1991年(平成3年)、渋谷・円山町にオープンした「ドクター・ジーカンズ」。シューティングゲームなどがあり、開業当時は「大人のテーマパーク」をうたっていた。今はどうなっているのか? 住所を頼りに探してみると、あった。場所は同じだが、今は宴会場となっていた。結婚式の2次会などに使われているらしい。

■有明の空き地、東京五輪の候補地に

 テーマパークではないが、バブル期の江東区有明に「MZA(エムザ)有明」という多目的ホールがあった。空間プロデューサー、山本コテツ氏がデザインした「大人の遊園地」だという。1988年(昭和63年)にオープンしたものの、バブル崩壊で親会社が経営破綻し1991年には閉鎖となった。跡地はどうなったのだろう。

 場所はゆりかもめ「有明テニスの森」駅の近く。1990年(平成2年)にはポール・マッカートニーが会見するなど当時の最先端のホールといわれた場所は、格闘技などに使う「ディファ有明」というイベント会場になっていた。事務局に聞いたところ、改装はしたものの、建物はエムザ時代と変わらないという。いまも格闘技ファンでにぎわう。

バブル期に人気を集めた多目的ホール「エムザ有明」は現在、格闘技会場「ディファ有明」となっていた
画像の拡大

バブル期に人気を集めた多目的ホール「エムザ有明」は現在、格闘技会場「ディファ有明」となっていた

 このあたりは東京ビックサイトからもほど近いが、空き地が目立ち、ちょっと物寂しい。これらの空き地、実は東京都が招致を目指す東京夏季オリンピックの候補地ともなっている。2016年大会の招致の際には選手村予定地だった。国際オリンピック委員会(IOC)から選手村としては狭いと指摘されたことから、2020年大会の誘致ではバレーボールや体操などの関連施設が検討されている。「有明テニスの森」駅も2006年(平成18年)にできたばかりだ。

 屋内人工スキー場に巨大迷路、そしてテーマパーク。バブル崩壊後の20年、都市部では多くが大型商業施設に生まれ変わり、地方では廃虚化が進んだ。東京・臨海副都心では、今なお取り残された場所がある。バブルの後始末はまだ、終わっていない。(河尻定)

読者の皆様のコメントを募集しています。
コメントはこちらの投稿フォームから

  • 前へ
  • 1ページ
  • 2ページ
  • 3ページ
  • 4ページ
  • 次へ
小サイズに変更
中サイズに変更
大サイズに変更
印刷
関連キーワード

テーマパーク、イケア、ザウス、スノーヴァ、イオン、ららぽーと

東京ふしぎ探検隊 意外な歴史スポット

東京ふしぎ探検隊 都会のミステリー

【PR】

【PR】



主な市場指標

日経平均(円) 8,580.39 +17.01 25日 大引
NYダウ(ドル) 12,505.42 -24.33 25日 11:18
英FTSE100 5,350.13 +0.08 25日 16:18
ドル/円 79.63 - .66 +0.01円安 26日 0:13
ユーロ/円 99.74 - .78 -0.44円高 26日 0:13
長期金利(%) 0.885 +0.020 25日 15:26
NY原油(ドル) 90.66 +0.76 24日 終値

モバイルやメール等で電子版を、より快適に!

各種サービスの説明をご覧ください。

日本経済新聞の公式ページやアカウントをご利用ください。

[PR]

【PR】

ページの先頭へ

日本経済新聞 電子版について

日本経済新聞社について