杉山平一さん
平明で鮮明な表現や人間的な温かさのある詩で知られる詩人で、帝塚山学院大名誉教授の杉山平一(すぎやま・へいいち)さんが、19日午前9時20分、肺炎のため兵庫県西宮市の病院で死去した。97歳だった。通夜は21日午後6時、葬儀は22日午前11時30分から同市高畑町2の25のエテルノ西宮で。喪主は長男稔(みのる)さん。
福島県会津若松市生まれ。1937年、東大文学部卒。東大在学中に詩人の三好達治に認められて同人誌「四季」に加わる。卒業後、作家の織田作之助らと「海風」「大阪文学」を発行した。
41年に中原中也賞、43年に出版した詩集「夜学生」で文芸汎論(はんろん)詩集賞、2003年には「戦後関西詩壇回想」で小野十三郎賞特別賞を受賞。今年3月、詩集「希望」で現代詩人賞に選ばれ、6月2日の授賞式に出席する予定だった。
ほかに詩集「ミラボー橋」「声を限りに」「ぜぴゅろす」、評論集「詩への接近」などがある。
映画評論家としても活躍し、朝日ベストテン映画祭審査員を務めた。