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河本準一さん 生活保護費返還へ
5月25日 13時13分

河本準一さん 生活保護費返還へ
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人気お笑いコンビ「次長課長」の河本準一さんが、一定の収入があるにもかかわらず、母親が生活保護を受けていると批判されたことについて、河本さんが25日、記者会見を開き、「甘い考えだったと深く反省している」と謝罪したうえで、母親が受け取っていた生活保護費の一部を返金する考えを明らかにしました。

この問題は、テレビや舞台などで活躍する河本準一さんが一定の収入があるにもかかわらず、母親が生活保護を受けていると、先月、週刊誌で報じられ、批判されていたものです。
河本さんは25日、東京都内で記者会見を開き、母親が生活保護を受けていた状況について説明しました。
それによりますと、河本さんの母親は15年ほど前に病気で働けなくなりましたが、河本さんは当時、年収が少なく、養うことができなかったため、母親が生活保護を受けるようになったということです。
その後、河本さんがテレビなどで活躍するようになると、福祉事務所から母親に援助できないか相談を持ちかけられるようになり、5年ほど前からは河本さんが生活費の一部を援助し、その分、生活保護費が減額されていたということです。
河本さんは「福祉事務所と話し合って決めていたので、母親が生活保護を受けていることは法的には問題ない」という考えを示したうえで、「芸人は収入が不安定なため、今は高い収入があっても母親の生活保護を打ち切ることはできなかった。甘い考えだったと深く反省している」と謝罪しました。
また、母親は先月から生活保護の受給をやめたということで、河本さんは今後、福祉事務所と話し合って、母親が受け取っていた生活保護費の一部を返金するということです。

親族の扶養に強制力なし

生活保護の受給者を経済的に養うことができる親族がいるかどうかは、申請を受け付ける自治体が調査することになっています。
この親族の範囲は、民法で定められていて、親子、孫などの直系の血族、それに兄弟姉妹です。
場合によっては、3親等以内の親族も含まれることがあります。
自治体の調査で親族が養うことができると判断されると、生活保護を受給することはできません。
しかし、この調査には強制力がなく、申請者本人や親族の申告を基に判断します。
また、生活の援助を強制することはできず、高い収入のある親族がいても援助を拒まれた場合は生活保護を受けることもあるということで、厚生労働省は、今回のように生活保護の受給者の親族が経済的に養うことができるケースがどれくらいあるのかについては把握できていません。
今回の問題を受け、厚生労働省は全国の自治体に対し、生活保護受給者を経済的に養うことができる親族がいる場合は、可能なかぎり家庭裁判所に保護費の返還を申し立てるよう求めることにしています。
厚生労働省は「個別のケースについてはコメントできないが、養うことが可能な親族は、積極的にその責任を果たしてほしい」と話しています。

厚労相“司法手続き活用し扶養求める”

小宮山厚生労働大臣は、衆議院の社会保障と税の一体改革に関する特別委員会で、人気お笑いタレントの母親が生活保護を受けていると批判されたことに関連して、家族が扶養できるにもかかわらず、生活保護を受けているケースなどについては、司法手続きも活用して扶養するよう求めていく考えを示しました。
この中で、小宮山厚生労働大臣は「高額の収入を得ているなど、家族が十分に扶養できるのに仕送りを行わないケースなどは、制度への信頼を失わせることになる。家庭裁判所に対する調停などの申し立て手続きの積極的な活用を図るため、手続きの流れを示したマニュアルやモデルケースを自治体に示し、着実な扶養義務の履行につなげたい」と述べ、司法手続きも活用して扶養するよう求めていく考えを示しました。
また、小宮山大臣は「現在、生活保護制度の見直しについて議論しているので、扶養が可能な家族などに、必要に応じて生活保護費の返還を求めることも含めて検討していきたい」と述べました。

片山さつき参院議員“調査権限など強化を”

自民党の生活保護に関する作業チームのメンバーで、この問題に取り組んできた片山さつき参議院議員は、記者会見し「河本さん側には、母親が受け取っていた生活保護費の返還と、自分のことばで説明するよう要請していたので、この点はよかった」と述べました。
そして、片山氏は「生活保護を受ける人の親族や資産に対する地方自治体の調査権限が弱く、執行体制を支える人員や予算も少ないので、これらを強化することが今回の問題の本質だ。『追及を弱めるな』という反響が多く来ており、自民党として、法改正や執行体制の強化に向けた提言を打ち出していきたい」と述べました。

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