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東北沖 巨大地震の断層発掘か5月25日 17時38分
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去年3月に巨大地震が起きた東北沖で、初めて大規模な掘削調査を行っていた研究チームが、震源域の海底深くで数メートルの厚さの岩が砕けている地層を発掘し、地震でずれ動いた断層である可能性があるとみて分析を進めています。
日本やアメリカ、ヨーロッパなど10か国の専門家による共同研究チームは、先月から海洋研究開発機構の探査船「ちきゅう」を使って、巨大地震の震源域のうち宮城県沖の海底を掘削する大規模な調査を行いました。
その結果、水深およそ6900メートルの海底からさらに850メートル下まで掘り進めることに成功し、発掘された地層の中から数メートルの厚さの岩が砕けている層が見つかりました。
研究チームによりますと、この付近は太平洋プレートという海側の岩盤と陸側の岩盤との境目に当たり、去年3月の巨大地震でずれ動いた断層である可能性があるということです。
東北沖で岩盤の境目の地層が発掘されたのは初めてで、研究チームは、今後、地震の際の力の働き方や断層が動いた速さなどを解明するとともに、この付近が過去の地震で繰り返し動いていたのかどうかも調べることにしています。
調査に当たっている京都大学防災研究所のジェームズ・モリ教授は「地層を調べることで今回の地震が分かると同時に、南海トラフなどほかの地域の地震との違いや次の地震の可能性についても情報を得ることができる。研究成果を今後の防災につなげていきたい」と話しています。
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