「私もニコ動ユーザーのひとりであり続けたいんですよ。仮にデビューして事務所に入ったら仕事になっちゃう。そうなるとユーザーのみんなとの距離が離れちゃう気がして。それにデビューできたとしても、しょせんプロの底辺。それってプロの素人ですよね。だったら、素人のトップを目指したい」
ただ、仕事が終わって疲れ果てていても、新作を投稿する前は相当な練習を積む。動画の編集も1人でこなす。何のためにニコ動のスターであり続けるのか。「たまに、自分でも何でやってんだろうなと思う時があるんですよ(笑)。でも、『元気もらったよー』とかのコメントを見ると頑張ろうと思う。もっと歳とると動けなくなるし、今しかできないことをやりたいなと」
芸能人でもないし一般人でもない「ニコ動スター」。プロデビューを果たしたとしても、二足のわらじを履くニコ動スターもいる。
■プロになってもニコ動ユーザーであり続ける
色気のある低音ボイスで押しも押されもせぬ人気の歌い手、「蛇足」さんは昨年11月、ニコ動で人気の歌い手4人と組み「ROOT FIVE」というユニットでエイベックスからデビューした。だが、今も都内のIT会社で営業・企画職を続けるサラリーマンだ。ツアーで全国のライブハウスをめぐり、4月の超パーティーにも出演するなど忙しい日々を送る彼は、こう語る。
「僕もそうですけれど、ニコ動はもともとオタク気質が強い人が作品を発表する場。見たいって言ってくれる人がいるから出てるって感じで、表に出たいと思ってやってるかというと違うんですよね。自分のやりたいことをやっていたら、結果、こうなっていた。これからプロで食べていこうとは考えていない。30歳も超えてある程度の収入はあるので、これからも仕事は続け、趣味を超えない範囲でやっていこうと思っています」
既存の商業コンテンツの世界とは別の論理で活動するニコ動のアーティスト。プロデビューという収益化の手段は、必ずしも彼ら彼女らの思いをすべて満たすわけではない。そうしたクリエーターにも、奨励プログラムは報いることができる。
もっとも、ニコ動スターであるほど奨励プログラムへの抵抗感は強い。まころんさんは「金銭目的で作ったわけではない作品を、金銭的に評価されることに戸惑いを感じる。汚れたお金じゃないのは分かっているけれど、受け入れるのに時間がかかる」とする。それでも「現実問題としてカメラだったり編集機材にお金はかかるので、還元はありがたい。様子を見てみます」と話す。そう、川上会長にしても急ぐ話ではない。ひっそりとじわりと広がり、変わればいいのだ。
もう1つ、奨励プログラムにはニコ動経済圏にとっての重要な意味がある。
■著作の派生を「コンテンツツリー」で管理
ニコ動はユーザー同士の自由闊達な二次創作、三次創作の積み重ねで発展してきた。ニコ動の世界において著作は守られるものではなく、再生産のために消費されるもの。奨励プログラムには、この複雑な著作の関係性を可視化し、人気の元作品が金銭的対価で報われるようにしようという狙いもある。やりたい放題の世界に一定の規律を持ち込もうということだ。
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