追跡2012:原発事故想定、避難先候補の自治体は… 「協力するが、地元民優先」 /島根
毎日新聞 2012年03月07日 地方版
◇災害の同時発生を懸念
中国電力島根原発(松江市鹿島町片句)で放射性物質が広範囲に放出されるなどの大規模事故に備え、県は広域避難計画の策定を進めている。2月7日には原発30キロ圏の県内4市に避難受け入れ先の自治体割り当て案を提示し、すでに各市の了解を得た。策定の動きは、避難先候補に「指名」された県外自治体の住民や担当者にどう映るのか。各地の声を聞いた。【曽根田和久】
県は昨年末から岡山、広島、山口各県で広域避難の自治体向け説明会を開催。各県を通じて受け入れ可能な施設数や定員などを調査した。各自治体の回答を基に、島根県は松江、出雲、安来、雲南各市の避難先候補を検討。県内を含め中国4県の71市町村を避難先として検討する方針が決まった。
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避難先候補の一つ、岡山県津山市。B級グルメ「津山ホルモンうどん」で知られる同県北東部の11万都市だ。同市は安来市の避難先候補になっている。
津山市危機管理室によると、今回の計画について現段階で市民からの問い合わせはないが、後藤和哉室長は「今後、市民に説明する必要が出てくるかもしれない」と話す。