社説:核燃「秘密会議」 透明性の徹底図れ
毎日新聞 2012年05月25日 02時31分
評価案は公開の小委で、再処理を推進する立場の委員と、反対・慎重の立場の委員の意見を聞き議論した上で最終的にまとめられている。小委のメンバーは大学教授やNPOの代表などで、電気事業者や省庁など直接の利害関係者は入っていない。
推進派が多く、議論が再処理継続に引きずられた印象はあるが、過去の原子力政策の決定に関係する会議に比べれば、中立性・透明性を保とうとする姿勢は見られた。それだけに、小委の座長が出席した密室の「勉強会」で報告の原案が検討され、信頼を損なう結果になったことは残念だ。
小委の報告は原子力委の「新大綱策定会議」に提出されたが、この会議でも議案が資源エネルギー庁や電気事業者に事前に示されていたという。こうした根回しが習慣化していたとすれば、徹底的に改める必要がある。
原発事故を経て、これまで原子力政策やエネルギー政策を進めてきた政府機関に対する国民の不信感は非常に強い。政策決定にかかわる政府の会議は、中立性と透明性の徹底を再確認してもらいたい。