東京電力の高津浩明常務(59)が、関連会社東光電気(東証1部)の社長に就くことになった。東電は福島第一原発事故や実質国有化された責任を取り、役員のほとんどが退任するが、退任が決まっていた高津氏を関連会社トップとして処遇する人事は、「天下り」との批判を受けそうだ。
東光電気が22日発表した。東光電気への東電の出資比率は45%。高津氏は現在、お客さま本部長として電気料金値上げへの理解を求めるためテレビ番組に出演するなどしている。値上げをめぐっては、東京都の猪瀬直樹副知事らから「子会社や関連会社への『天下り』でコストがかさんでいるのでは」と批判を受けている。
東光電気は、高津氏が11年から社外取締役を務めていることから「当社の経営にふさわしいと考えた」(広報)としている。今年10月に、同じ東電関連会社の高岳製作所(東証1部)と統合してできる「東光高岳ホールディングス」の社長にも就く予定だ。