中学生がいじめ動画「小学生にケンカ売ってみた」

　相模原市の中学校の生徒が小学校低学年の児童をいじめている動画がインターネット動画サイトに投稿され、生徒が通う同市立中学校に非難や抗議の電話が殺到する騒ぎになっていることが２４日、分かった。神奈川県警は軽犯罪法違反（つきまとい行為）の疑いもあるとみて、生徒らから事情を聞くなど捜査を開始。生徒らは「軽はずみな思いつきでやった」などと話しているという。

　相模原市教育委員会などによると、いじめ動画にかかわったのは、中学３年生の３人組。問題の動画は１５日に撮影後、「小学生に喧嘩をうってみた！」のタイトルで動画サイト「Ｙｏｕ　Ｔｕｂｅ」に投稿された。

　映像は、市内の路上で学生服姿の生徒が黄色い帽子にランドセル姿の小学２年生の男の子に背後からわざとぶつかり「おい。痛えんだよ」などと因縁をつけるところから始まる。おびえる児童が「ごめんね」と謝っているのにからみ続け、児童は泣いてしまう。約４０秒間の動画は携帯電話のカメラで撮影したものとみられ、生徒が笑う声も入っていた。

　中学校側は２１日朝、教諭がネット上で動画に気付き、３人と保護者を呼び出して動画を削除させた。しかし、映像は削除後もネット上で転載され、１０万回以上アクセスされた動画も。市や学校には２４日までに非難や苦情の電話が４００件以上あった。

　市教委によると、３人は「面白い動画を撮って投稿しようと悪乗りした。謝りたい」と反省の弁を述べているという。市教委学校教育課の今井勉課長は「動画に映っているのは許せない行為。このような動画が投稿されることを想定できなかったのが残念だ」と話した。被害児童の保護者は生徒らの謝罪を拒んでいるといい、市教委はカウンセラーを派遣し、児童の心のケアを行うことにしている。

　中学校は２２日に全校集会、２３日には臨時の保護者会を開き、事情を説明。校長は「小学生にいたずらをして面白がるというのは許せない。指導を徹底したい」と話している。

　ネット上では、中学校を非難する書き込みも増えており、中間試験が行われたこの日、学校は全校生徒に登下校時には注意するよう呼びかけた。市教委は学校に職員を派遣。登下校時のパトロールを始めるなど、騒動は拡大している。

（2012年5月25日06時03分スポーツ報知）