よしもと100年笑いは地球を救う
詐欺?金利まで払って見つけた居場所
大山英雄は新喜劇の基本パターンを披露
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吉本新喜劇の“大黒柱”で副座長の大山英雄(38)は心底、東京が大好きになった。「ルミネtheよしもと」のオープンに合わせて01年に大阪の新喜劇から移籍。関西人特有?のコンプレックスもあったが完全になくなったという。
「アンチ・ジャイアンツやないんですけど昔は大嫌いでした。今は一生、大阪に戻りたいと思いません。去年からボクの新喜劇の班もできた。今ではミスター・ルミネと呼ばれてますから」
大山は底抜けのミーハーだった。ルミネの座長は今田耕司、木村祐一ら。テレビの人気者と共演できるのがうれしくて仕方なかった。大山は大阪の新喜劇のノウハウを知るだけに“スター座長”からアドバイスを求められることも心地いい。さらには先輩つながりで、ダウンタウン松本らと食事する機会まで。東京は刺激にあふれていた。
移籍の際は強烈な落とし穴が待ち受けていた。社員から大山に「ルミネでやってほしい。とにかく東京に住んで」と依頼が来た。残留を希望する大山は引っ越し代がかかると難色を示したが、社員は「なんぼいるねん。100万円?用意したるわ」と即決。吉本入りして初の厚遇に東京行きを決意した。
100万円が振り込まれると大山は吉本本社に呼ばれた。社員が書類を差し出し「ここにサインして、後はここにハンコ。それと月に5万円ずつ引くから」。書類には吉本関連の金融会社「吉本ファイナンス」と書いてあった。大山は「コレなんや、詐欺や」と思ったが時すでに遅し。お願いされた東京行きなのに金利まで払い続けた。
「大阪の新喜劇も出してくれるという約束やったんですけど30日間で29日はルミネに出てた。これで“どうやって大阪に帰るねん”ですわ。その社員も“そんなん言うたかなあ”って(笑い)」
今ではルミネに欠かせない万年副座長。「ボクは家臣タイプなんで誰とでもできる。吉本一のバイプレーヤー。これからも誰かを支え続けます」。新喜劇のようなダマされ方で東京に来たのも運命。100万円へのわだかまりはもうない。
[ 2009年05月14日 20:17]