アラスカ州ヤクタット(CNN) 昨年の東日本大震災による津波で海に流された大量のがれきが、アラスカ半島などの太平洋岸に漂着している。漂着物は来年にかけてさらに増加するとみられ、撤去や処分の費用が問題となりそうだ。
アラスカ湾の自然保護活動に取り組むクリス・パリスターさんは、漂着物を撤去するボランティアとして、州都ジュノーから北へ約320キロのモンタギュー島の海岸に出向く。ここには、かつて見かけなかったペットボトルや断熱材、浮きなどが次々に打ち上げられている。これらは日本の被災地から、1年以上かけて流されてきた。
日本政府の推計によると、津波で流されたがれきのうち7割は海底に沈んだとみられる。だがその残りは1カ月余り前から、米国やカナダの海岸に到達し始めた。大部分は来年になってから漂着するとみられ、その量は北米全体で150万トンに上ると予想される。ボランティアの手には負えなくなるだろうと、パリスターさんらは懸念する。沖に浮かぶ大量の発砲スチロールを海鳥が食べて、死んでしまうケースも続出しているという。
アラスカ州住民らは連邦政府に助けを求めている。しかし海洋大気局(NOAA)は先週、遠隔地のがれき撤去に予算を配分することはできないとの見解を示した。オバマ大統領の新年度予算案で、NOAAの漂流物処理部門は25%の支出削減を強いられている。
NOAAの海洋担当責任者は先週開かれた上院の公聴会で、がれき撤去作業について「船や人手、処理施設が必要となり、巨額の費用がかかる」と説明した。これに対し、アラスカ州選出の議員は「連邦政府は緊急時に州を助けるのが役目ではないのか」と、いらだちをあらわにしていた。