大手百貨店などは1990年代のバブル崩壊後から消費喚起のためセールの前倒しを繰り返し、収益低下を招いてきた。
しかし、長引くデフレや、外資系ファストファッションなど低価格衣料との競争激化を受け、アパレル業界団体がセール時期の見直しを要請。こうした動きに合わせ、婦人服ブランド「23区」「組曲」などを持つオンワード樫山も、セール開始時期を7月13日に遅らせるよう、店舗を構える百貨店などに通告した。これに伴いセール前の6~7月中旬に定価販売の取り扱いを増やそうと、同時期の生産を例年より5割増しとする。
ただ、セールを遅らせることで「客離れを起こす懸念もある」(証券アナリスト)との指摘もある。このため、高島屋はセールの開始時期を7月1日と同13日に分ける“苦肉の策“を取るほか、J・フロントリテイリングは現時点は様子見の構えだ。(藤沢志穂子)