「泣きたくても泣けない」犠牲者いとこ、同級生逮捕に二重の苦しみ…亀岡暴走1カ月
産経新聞 5月23日(水)15時21分配信
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亀岡暴走から23日で1カ月。現場となった道路脇で遺族らによる法要が営まれた。祭壇に手を合わせる遺族ら=京都府亀岡市(安元雄太撮影)(写真:産経新聞) |
【フォト】 「無念晴らしてやる」遺族ら署名活動へ 亀岡暴走1カ月
小学5年まで亀岡市に隣接する京都府南丹市で過ごした麗菜さんは、事故発生当夜、故郷に駆けつけ、約2週間滞在した。
「事故に関係した少年たちが誰なのか、知ってる?」。恐る恐る幼なじみに尋ねると、聞き覚えのある名前が返ってきた。
「まさか」−。事故車両の所有者(19)と、事故当時同乗していた大学1年の男子学生(18)の2人は、小学校時代の同級生だった。事故に関係した少年らの大半が、暴走族グループの元メンバーだったとも聞かされた。暴走事故は、起こるべくして起きたことを知った。
男子学生とは自宅が近く、とりわけ仲も良かった。小学校の低学年だったある日の朝、麗菜さんは男子学生の母親から、忘れ物を預かった。給食当番で使うマスクだった。学校で渡すと、男子学生は「ありがとう」。あのころは、素直でやさしい男の子だった。
幸姫さんを亡くしてから、麗菜さんは1人でぼうっとしている時間が長くなったという。姉妹のいない麗菜さんにとって、幸姫さんは「何でも話し合える本当のお姉ちゃん」だった。気がつけば、2人の記憶がたくさん詰まったアルバムを見返している。
実家で一緒にバーベキューをした。歯科助手の仕事と子育てを両立させていることも知っていた。「なのに、なぜ」。幸姫さんとの数え切れない思い出に浸りたくても、少年たちの存在が、それを邪魔する。
「私は少年たちの住所と名前を知っているのに、彼らは少年法に守られている。そこが歯がゆいから、泣きたくても、泣けないんです…」
今月14日には、両親とともに京都地検の被害者説明会に出席した。必ずしも納得のいく説明は聞けなかったが、その一方で、悲しみや憎しみを持ち続けるのは、幸姫さん自身が望んでいないとも思っている。
「これから自分に何ができるのだろう」。麗菜さんは、もがき続けている。
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最終更新:5月24日(木)6時36分
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